吉本が都内に漫才劇場オープン かつて存在した伝説の劇場がなくなった理由

お笑い 2019年01月19日 18時00分

吉本が都内に漫才劇場オープン かつて存在した伝説の劇場がなくなった理由加藤浩次

 吉本興業が今年中に東京都内に新たな劇場「東京よしもと漫才劇場」(仮称)を設立することがわかった。若手芸人を中心とした小規模な劇場が想定される。

 吉本興業は、東京都内には新宿のルミネtheよしもと、渋谷のヨシモト∞ホール、神保町花月の3つの劇場がある。そのほか、埼玉県の大宮や千葉の幕張にも劇場を持っている。ただ、この2つの劇場はショッピングモールなどに併設されており、単体のものではない。

 今回作られる劇場は、かつて東京に存在した銀座七丁目劇場や、渋谷公園通り劇場のような場所を目指すものとも言えるだろう。

 銀座七丁目劇場は1994年3月にオープンした。吉本興業の本格的な東京進出の足がかりとなる場であった。この劇場からは、平日夕方にナインティナインをメインMCとした日替わりの生放送バラエティ番組『銀BURA天国』(テレビ東京系)が放送されていた。この時点で、吉本興業の芸人養成所であるNSC東京校は開設しておらず(開設は1995年)、劇場オーディションで直接芸能界入りを果たした人間も多い。七丁目劇場のオーディション組・出身者としては、ロンドンブーツ1号2号、ペナルティ、ダイノジらがいる。さらに、この劇場のドンとして君臨していたのが極楽とんぼの加藤浩次であった。当時は狂犬キャラとして知られ、後輩たちには「関西芸人と話すな」といった厳しい態度で臨んでいたようだ。銀座七丁目劇場はビルの建て替えをきっかけに1999年に閉館する。何より銀座が若者の街ではない、といった事情も作用したようだ。

 吉本興業が90年代に東京に開いたもうひとつの劇場が、渋谷公園通り劇場である。1995年オープンで、この劇場からも『今田耕司のシブヤ系うらりんご』(フジテレビ系)が平日夕方の生放送としてオンエアされていた。この番組は『めちゃイケ』総監督で知られる片岡飛鳥が総合演出を担当しており、今田が放送中に食い逃げをするなどゲリラ的なドキュメント企画がたびたび放送されていた。この劇場出身の人間としては、ガレッジセールがボランティアスタッフから芸人となっている。さらに時期柄、『ボキャブラ天国』シリーズ(フジテレビ系)に出演していた爆笑問題、フォークダンスDE成子坂などの“キャブラー”も出演していた。しかし、わずか3年後の1998年には閉館してしまう。規模が小さいため採算が取りづらかったのと、渋谷には別のお笑い劇場のシアターDが存在したことなどが理由としてあげられる。

 吉本の新たなプロジェクトには、こうした個性ある劇場の再来を期待したいところだ。

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