2着は立て直した横田でこんな大穴になったのだが、西川の2着でも1万以上ついた。中部ラインのない時の岩見は怖いということをまさに証明した。
さて今回の穴男は古原克己(大阪・60期)だ。165cm、72kgと小柄だがマークにかけては天下一品の根性を見せている。同じ大阪で同期の金田健一郎が追い込みに変わった時に「追い込みやったらわいと競りや、同期・同県かて遠慮せえへん」といってのけたほど。
同期のエリート金田が先行まくりの場合はマークするが追い込みなら古原の方がキャリアは上位だからこんな発言が飛び出したのだ。古原の気迫を物語る。
97年の岸和田日本選手権では優参、金田とのさすがに競りはなかったが、02年の立川日本選手権では(1)(3)(2)(3)と大活躍、初日一次予選では若松将弘(愛知)のまくりについて直線5番手から一気に追い込んで3万4060円の大穴を出すと、二次予選も3着で準優に進出。小嶋敬二(石川)―山田裕仁(岐阜)の後ろからジャンで追い上げた佐藤慎太郎(福島)の2着に食い込んでこれまた1万9960円の大穴。決勝は西郷剛(兵庫)のまくりに乗って3着、3連単に絡んだ。このレースも同県の前田拓也の後ろに行かず、西郷の一発に賭けていた。
現在はGIII、FI戦でしぶといレースを展開している。佐世保FIでは伊藤保文(京都)の先行をズブズブに差し、四日市の特秀戦では人気の富永益生を破って2着中塚記生(熊本)で万車券と「穴男ぶり」は健在だ。
一応、近畿や中部の3番手は回るが、展開次第では乗り換えてインを突いたり、中を割る差し脚は42歳の今も健在。練習仲間も熱心なロードワークで知られる中沢孝之(56期)中沢央治(59期)の泉北グループで、いまだに暇があれば合宿に行く熱心さだ。
いまのところはFI戦の配分が多いが、GIII、さらにはGIIの配分が来れば4日間追いかけたいもの。4日間追いかけるか、ラインのないときが狙い目だろう。古原の競りとインを差す競走をゆっくり追いかけてみたい。