現在赤坂ACTシアターで上演中の小栗旬主演のミュージカル舞台『時計じかけのオレンジ』。アンソニー・バージェス原作、スタンリー・キューブリック監督の傑作映画でおなじみのこの作品を、小栗旬の他、今をときめく高良健吾、人気の武田真治、カルトなファンを多く持つ橋本さとし、「柔道一直線」桜木健一など、豪華なキャストが終結し、演出を演劇界の隠れたカリスマ演出家・河原雅彦が担当するという、新春ならではの華やかで話題騒然の舞台だ。この作品が上演されることは昨年夏ぐらいから、業界の間では話題に上っていた。なぜなら、河原氏のイベントをはじめ各方々から情報が漏れていたからである。
ここで河原雅彦を知る多くのファンは「時計じかけのオレンジ」+「河原雅彦」+「小栗旬」=不良でキマリ。という図式が頭に浮かぶ。なぜなら河原氏こそ、不道徳の権化であり、女の敵である人物だからだ。2010年の後半、小栗が女性関係でグレてしまったのは紛れも無い、舞台『時計じかけのオレンジ』で演出家・河原雅彦からの無理な要求に答えるため、自分を偽っていた(に違いない)のだ。河原氏が不道徳かつ女の敵である事は、彼のイベントに行った人なら誰でも知っている。本人いわく「山手線の駅全部にカノジョを作って浮気した」だの「浮気がバレて本当の彼女に傘でさされた」だの、「学生時代に友達とOLを自転車で追いかけた」など、とんでもない悪エピソードがいっぱい。よくもまあこんな男がアノ国民的女優のダンナさんだったとは信じがたい。しかし、河原氏の演出に惚れ込んでいる役者はとても多く、並々ならぬ才能がある事だけはウソではない。
そんな河原氏が昨年末、EXILEのバラエティ番組で『時計じかけのオレンジ』の稽古場を写したコーナーで久々にテレビに登場。そこでは舞台について見どころを語る小栗と、他の出演者、その横で一言も発せずボーっと立っている河原氏の姿が。河原氏のブログによると、その日は自分が何かしゃべる度に「それはテレビで言っちゃマズイから」と穏健派の武田真治にカメラを止められ、肉声がほとんどカットになってしまったとか。同ブログで「小栗や高良はとてもいい子でマジメに演技にとりくんでいる」とあるから、レイプや強盗を繰り返す、『時計じかけのオレンジ』の主人公の役作りをマジメにやるとすれば、すっかり河原氏のような不良になってしまう。だから小栗も、芝居をつきつめたらああなっただけだ。舞台が終われば、2011年はきっと「情熱大陸」の時のようなマジメ小栗旬に戻っているであろう。(コダイユキエ)
*舞台『時計じかけのオレンジ』は赤坂ACTシアターで30日まで。