この日、番組では放火事件の犯人について取り上げ、犯人が逮捕時、「パクりやがって」という恨み節を叫んでいたという目撃者の声を紹介。「京都アニメーションに恨みがあったのでは?」として、事件発生後に、ネット上で広がった「犯人はバリサクでは?」という憶測を紹介した。
「バリサク」とは、2ch(現5ch)上に書き込みをしていたある鉄道写真愛好家のことで、鉄道写真の構図について「バリバリ順光でサクッとバリサク」というキャッチフレーズを作って広めようとしていたことから、「バリサク君」と呼ばれていた人物。しかし、京都アニメーションが15年に制作した『響け! ユーフォニアム』というアニメ作品にの中で、バリトンサックスのソロシーンを『バリサクソロ』と呼んだことで、その人物は自分のフレーズを真似されたと勘違いし、「俺様の人生は大きく狂った、絶対許さないからな!」と、掲示板を荒らしていたという。事件発生後、ネット上では、この「バリサク君」を犯人と推測する説が5ch上に書き込まれ、「これが動機なら怖すぎる」「ただの被害妄想」など、さまざまな声を呼んでいた。
しかし、実際には「バリサク君」本人と思われる人物は、いまだ5chでの書き込みを続けており、犯人が動機について「小説を盗んだから」と語っていることが一部報道で明らかになり、「バリサク君犯人説」については、“デマ”である可能性が高いとされていた。そんな中、『モーニングショー』ではこの憶測を紹介。断定するような報じ方ではなかったものの、ネット上では「未確認情報は拡散しないように」という風潮が広がっていただけに、「いくら情報がないとはいえ、バリサク説流すってメディアとしてどうなのよ…」「堂々とガセネタ流すとかありえない」「ネット上のゴシップ流すとかどうかしてる」といった非難の声が殺到した。
放送後、ツイッターでは「バリサク」というワードがトレンド入りするなど反響が集まっていたが、そのほとんどが未確定情報拡散を咎める声。鉄道写真愛好家への風評被害が生まれる恐れもあり、ネットからは多くの苦言が集まっていた。