阪神が登録した捕手は3人。城島健司、小宮山慎二、藤井彰人だ。しかし、今季の城島は一昨年オフにメスを入れた左ヒザの影響もあり、主に一塁手として出場する予定になっている。“正捕手”候補の藤井だが、キャンプ終盤に左脇腹を故障。現在は通常の練習をこなすまでに回復しているが、
「1度痛めると、クセになりやすい箇所。本当は大事を取った方がいいんだけど…」
と、周囲は心配していた。
さらに小宮山にアクシデントが発生した。
奇しくも、開幕メンバーを決めた28日に小宮山が発熱と腹痛を訴え、ダウン。球団はインフルエンザではない旨も重ねて伝えたが、30日の開幕戦にはベストコンディションで出場できないのは明白…。そう、阪神は開幕戦の捕手を「藤井1人」で乗り切らなければならなくなったのだ。
「28人のメンバー表を提出した後に、小宮山の発熱が発覚したようですね。捕手は接触プレーの多いポジションなんで、ベンチに2人以上待機させておきたいというのが、首脳陣の心境でしょう」(球界関係者)
28人の登録選手の訂正が聞かなくなった時点でのトラブル発生のようである。
開幕2戦目以降の入れ換えは可能だ。小宮山の体調が戻らなければ、和田監督は早々に選手の入れ替えを行わなければならない。チーム関係者によれば、開幕戦でスタメンマスクを被る藤井に『万が一』があった場合、元捕手の浅井良外野手を捕手出場させるという。
城島も捕手ミットを持って試合に臨むことになりそうだが、考えてみれば、藤井も城島も他チームから補強してきた捕手だ。今回のアクシデントは小宮山、岡崎太一、清水誉など20代半ばの正捕手候補を育てられなかったツケが露呈してしまったとも言えなくはない。
「和田監督は接戦をモノにする野球をやろうとして、キャンプ、オープン戦を戦ってきました。藤井にアクシデントがなかったとしても、勝負どころで藤井に打順がまわってきたら、代打を送ることも出来ません」(選出・同)
本当は試合後半、藤井と小宮山を交代させる「捕手2人態勢」を、和田監督は描いていたとも聞いている。開幕の1試合だけとはいえ、思わぬハンディを抱えてしまった。和田監督の初陣が懸念させる…。