「ヒットエンドラ〜ン!」と奇声を発しながら、つかみどころのないジャンプを繰り返していた鳥居みゆきが、テレビに出られるようになって5年がすぎた。きっかけは、インターネットテレビ『カンニング竹山の恋愛中毒』。無名芸人にスポットを当てた名物企画『芸人面接』で、鳥居が披露した激ヤバトークがネットで話題になり、テレビ起用につながった。
芸能界デビューは、18歳。昭和のいる・こいるの漫才を見て、芸人になろうと決めた。20歳のときには、その恵まれた容姿を試そうと、消費者金融・アコムのイメージキャラクターオーディションに応募。見事、最終選考まで残り、面接担当者に「これに落ちたら、ほんとうにおたくのお世話になることになります」と、早くも芸人の片鱗を見せている。
家庭環境は、やや複雑。父親が、2人いる。それが幼少期に暗い影を落としたのか、学生時代から人間嫌い。友だちもできなかった。「小学5年生のときに特殊学級に入れられた」経験、「学生時代いじめられていた」トラウマが精神をむしばんだ。カルトテイスト満載の芸風は、おそらくここがルーツだろう。
芸人としてブレイクしてからも、心の情緒を保てないでいる。精神安定剤「セバゾン」を4種類も服用。自律神経失調症、先端恐怖症、対人恐怖症、アンテナ過敏症などが、自覚できている症状だ。
自殺未遂も繰り返した。手首には、無数の傷跡。ネガティブ思考がすぎたときに出てしまう、悪い癖だと本人は言う。
売れる直前までは、歯科衛生の見習いバイトをしていた。食えない時代。いい金づるがいた。相手は、女性。真性レズだった。おたふくのようなタチ(レズの男性役)の「ひとみ」ちゃんと会って、セックスをすれば、それなりの小銭をもらえた。
虚実ないまぜなのが、鳥居みゆきという生物。これら、現実から逸脱した経歴も、嘘と誠が織り交ざっているかもしれない。(伊藤由華)