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幻想的な科学の世界 『透明骨格標本』

 皆様は、こちらの標本をご存じだろうか。小瓶の中、透明な薬液に浮かぶ透明な赤や青の骨格標本。よく見ると完全に透明になってしまった体組織も垣間見える。学校の理科室に飾られているホルマリン漬けの動物や骨格標本と本質的には変わらないはずなのに、こちらはグロテスクさよりもガラス細工のような繊細さを想起させる。

 この『透明骨格標本』は、読んで字の如く『体組織を透明にし、骨格を染色した標本』で、骨格の発達を研究するために産まれた学術研究の為の技術だ。一般的な人間の骸骨や、恐竜などの骨格標本は体組織を取り除いた骨をつなぎ合わせ、元の形に戻して観察できるようにした物だが、これには限界があった。例えば、小魚や組織が未発達の胎児など、骨が細かくもろい生き物やしっかりとした骨によって形成されていない生き物などの骨格はどうしても標本を作りづらく、解剖等による観察も難しい。そこで、解剖せずに骨の仕組みを見る技術として発達していったのがこの『透明骨格標本』なのである。
 『透明骨格標本』の制作方法は1967年に発表された。酵素の働きによってタンパク質を分解し、軟骨や硬骨を染色して骨格を際立たせる。魚などの標本の場合は、先に解剖して内臓を取り払ってしまう事も多いが、内臓が残っている場合は内容物、その動物が生前何を食べていたのか、等が確認できる事もある。

 学術的な研究用標本である『透明骨格標本』だが、その見た目の美しさから、近年は理系に興味・関心がある人を中心に、主にフィギュア感覚で購入する人が増えているという。学術標本であるため価格は数千円以上とやや高めだが、光を通して美しく輝く標本の魅力に魅せられる人は多い。その幻想的な魅力を切り取ったかのような『透明骨格標本』の写真集などの出版物も多く発売されている。

 はかなげで美しいこの標本は、とりもなおさず『生命』というものがいかにはかなく、もろい物なのかを自ら体現して見せているとも言える。東急ハンズやネットオークションなどでも購入できるこの『透明骨格標本』、あなたの部屋のアクセントにお一ついかがだろうか。

(黒松三太夫)

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