ここまで積み上げてきたGI勝利は実に4つ。その輝かしい実績とともにスーパーホースがこのグランプリでターフに別れをつげる。瀬戸口厩舎から転厩して1年10カ月。バトンを受け取った高橋成調教師は感慨深げに同馬との日々を振り返る。
「本当、よくここまで頑張ってくれた。何より怪我で騎乗が微妙だった武豊君を背にラストランを迎えられるのがうれしいね」。
最後の舞台となる有馬記念では過去2度出走したが5、8着…一番人気に支持された昨年も直線で伸びきれずに期待を裏切った。同馬にとっては鬼門のレースとも言える暮れのグランプリだが、指揮官はラストランに向けて渾身の仕上げで挑む。
「昨年はジャパンカップがギリギリの仕上げだったので状態が下降線だった。でも今年は違う。フランス遠征がいい意味での休養となって、帰国して2戦目。昨年よりは確実に具合はいい」。
最終戦に向けて、できる限りの仕上げを施す。それが苦楽をともにしてきた愛馬への感謝の気持ちだ。もちろん、高橋成調教師はラストランを最高の形で締めくくるつもりだ。
「前走のジャパンCは上がりが速く、持ち味の渋太さを生かせなかった。それでも勝ち馬とは0秒5差だから全く悲観していない。今度こそファンの期待に応えたいし、何とか武豊君とのコンビで有終の美を飾りたい」。
90年のオグリキャップの再来なるか。引退レースでのVに向けて、サムソンが伝説の走りを見せる。