10年公開の「BECK」以来、3年ぶりの主演作となる同作はシリーズ累計発行部数1,800万部(海外分含む)を突破し、世界42の国と地域で翻訳されている超人気コミックを映画化。
水嶋は幻蜂家当主・清玄(剛力彩芽)に仕える主人公の執事・セバスチャンを演じ、主題歌の「Through the ages」は妻で歌手の絢香が作詞作曲を手がけたまさに“家族ぐるみ”の作品だが、ここまで至る道のりは波瀾万丈だった。
水嶋は父親の仕事関係で、幼少時代から小学校卒業までスイスのチューリッヒで過ごしていた帰国子女で英語がペラペラ。中学入学にあわせ帰国、神奈川の名門・桐蔭学園中学校・高等学校を受験し入学。中・高ではサッカー部に所属し、高校3年生の時には「第81回全国高等学校サッカー選手権大会」にレギュラーとして出場し活躍しチームのベスト4入りに貢献した。高校卒業後は慶應義塾大学環境情報学部に進学したが、高校時代のケガなどによりサッカーは続けず、大学時代にモデルとしての活動を始め芸能界入り。天海祐希、竹野内豊らが所属する大手事務所に移籍し、05年に人気ドラマシリーズ「ごくせん」(日本テレビ)の生徒役で俳優デビューした。
06年の「仮面ライダーカブト」(テレビ朝日)でブレークし、翌07年の「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」(フジテレビ)で人気・知名度が全国区に。以後着々とステップアップを重ねたが、09年2月に同じ事務所に所属していた歌手の絢香と結婚。
この結婚を機に事務所との間に埋められない溝が生じ、10年9月に絢香とともに独立した。
同年10月末、本名である齋藤智裕名義で執筆した処女小説「KAGEROU」で「第5回ポプラ社小説大賞」を受賞。同書はベストセラーとなったが、いまだに第2作は発表されず。おまけに、「前所属事務所との関係を円滑にしたい各局は“無言の圧力”に屈し、示し合わせたように水嶋を出演させなかった」(週刊誌記者)。
天からいくつもの“武器”を与えられた水嶋だが、周囲を取り巻く環境はどうしようもなく、しばらくは表舞台から姿を消したが、主演映画で再び表舞台へ。プレミア試写会では「僕はこの勝負に勝ちたい」と映画に並々ならぬ決意を明かしただけに、ヒットが期待される。