恵方巻は2000年代以降、関東地方においてもその認知度が年々高まっている。各コンビニエンス・ストア、大手スーパーなどが「開運恵方巻」などとネーミングした太巻きを節分に向けて販売し、売れ行きは好調。穴子やいくら、かになどを巻いた高級太巻きを、東京でも事前に大量に予約する人が増えたという。
かつて節分に親しんだ大人たちは今、なんとなくこの風習をスルーするのは寂しい。そんなノスタルジックな思いを刺激した宣伝活動が功を奏し、今では関東のみならず、すっかり日本全国に広まった恵方巻。商品の景気がいいのは良い事だが、形が円柱状で恵方巻に似ているからといって、ロールケーキなどの便乗商品まで登場している。
柊の枝に鰯の頭を刺したものを戸口に立てて、家族で豆をまいて鬼を追い払い、声を出して福をよび込み、年の数だけ豆を食べては無病息災を願う。今では子どもがいても、豆まきをやらない家庭も多い。豆まきよりも、食べ物だけが重視されるのはちょっと寂しい気がする。(コダイユキエ)