「1角に入ったところでペースは速いと思ったが、道中は(気持ちに)スイッチが入らないように気をつけて乗った」と川田騎手。好発から主導権を奪うと、1000メートル通過は59秒8。淀みない流れを自らつくりあげながらも、これがマイペースとばかり、後続のし烈な2着争いを尻目に、最後までしっかりとした脚取りでゴールを駆け抜けた。
「直線に向いてオーロラビジョンにワンダースピードの姿が見えたけど、こちらも手応えは良かったからね」。ダート無敗。そして、5連勝中の勢いは初めて挑戦した重賞でも止まることはなかった。
「小細工せずにこの馬はスピードを生かした方がいいね」。改めて愛馬の素質の高さを認識した池江寿調教師はニューヒーローの誕生に、自然とほおを緩ませた。そして、「今年の最大目標はJCダート」と早くも砂の頂点に照準を合わせていた。