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厩務員春闘 皐月賞ウイークでスト突入か

 皐月賞が開催ピンチ!? クラシックシーズンになると、毎年、競馬ファンをヤキモキさせるのが厩務員春闘。最近では1999年4月3日の中山競馬、阪神競馬、中京競馬がストライキにより中止となっている。それ以降の7年間は無事、開催が行われてきたが、今年の労使交渉は難航の気配にある。
 調教助手組合の執行委員長を11年務め、労使問題に詳しい古賀正俊氏によると、「今の時代、競馬ストライキを打つには、ファンを納得させる大義名分がいるが、今年はそれがある」と言う。
 最大の問題になっているのが、勤続年数手当の引き下げだ。「一部の馬主が馬主連合会、調教師会、JRA、各労働組合の代表者で構成される四者懇で預託料が高すぎるとイチャモンをつけたのが発端。それが人件費のカットということに波及していった」と語る。
 「第一に馬主が厩舎に馬を預ける際の基本預託料が一定額だった時代は、人件費が明確化されていたが、今は自由契約制で不透明。値段の高いところに預けといて、高すぎるというのはお門違い。安い厩舎もあるんだから。それで賃金が抑えられるのでは、労働者はたまったもんじゃない」と憤慨。
 「年間の労働時間にしたってそう。一般サラリーマンが約1800時間といわれるところ、厩舎の業務は約2400時間あることを使用者側にはご理解いただきたい」と語気を強める。
 調教師側にも預託料をある程度高く設定しなければならない事情もある。JRAの出走馬選定方法の変更で除外馬ラッシュになっている現状では、厩舎経営の根本になる出走賞金を稼ぐのもままならない。「昔は1頭の馬をひと月に1回か2回は使えたのに、今は除外、除外で3カ月も出走できないこともざらにある。馬を使えなきゃ、お金が入ってこないわけだから」
 今のところ、労使の意見は平行線をたどったまま。組合側はスト権を確立して、徹底抗戦の構えだ。「労働災害が年に東西で800件もある職場は日本中を探してもJRAの現場しかない。現に救急車を5台も置いている職場(各トレセン、競馬場)なんてほかにありますか?職場手当の引き下げをのめば、次は基本給を攻めてくると思うから、組合が折れることはない。預託料の問題は、各厩舎の労働者の年齢構成を精査すれば、人件費が原因かどうかは一目瞭然になる。そんへんをきちっとやることが大事」と指摘する。
 皐月賞を控える来週に予定されている団体交渉の結果が注目されるが、妥結に至らない場合は、7年ぶりのスト決行も最悪あり得る。「ファンあっての競馬。なんとかストだけは避けてほしい」と古賀氏は願っているが…。

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