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キャバ嬢が生まれる瞬間(66)〜ライブの遠征費用を稼ぎたかった女〜

長塚洋子(27歳・仮名)

 私は昔からアイドルが大好きで、今もよくライブ会場に足を運んでいる。子供の頃はテレビでアイドル達が歌って踊っている姿を見ているだけで満足だった。でも握手会というアイドルと直接的に接触できるイベントが当たり前になってからは、現場に足を運ばざるを得なくなった。たとえ数秒であろうと、キラキラしたアイドルから自分だけに向けられる視線と笑顔を、独占できる瞬間がとても幸せなんだよね。男性アイドルも好きだけど、私は可愛くて憧れる女の子アイドルを応援している。

 だから私は何度も何度も同じアイドルの握手会に通っている。そのことである日、アイドルから「洋子ちゃんだよね? また来てくれたんだ」と名前を呼ばれ、私という存在を認知された時の日は今でも忘れられない。そんなこと言われたらますます好きになっちゃうよね。だからそれからは、さらに握手会にのめり込んでいったのだけど、困るのは遠征費用だった。

 都内で行われるイベントならいいのだけど、その子は数年前から大阪を拠点に活躍するようになった。なので週末は毎回、東京から大阪まで新幹線で移動するのが当たり前。いつも握手会に顔を出しているから、もし私が休んだりしたら推しのアイドルに心配をかけちゃうからね。それだけは避けないと。だから通い続けてる。

 昔、私は普通の飲食店でアルバイトしていたのだけど、アイドルを追っかける費用が足らなくなってきていた。そこで思い切って飛び込んだのが夜の世界。お酒を飲むのも苦手だし、お客さんと会話を続けれるかは不安だったけど、これは大好きなアイドルに会うためなんだと思えば全然苦じゃなかった。むしろ楽しい日もある。私がどれだけ推しのアイドルを愛しているか聞いてくれる優しいお客さんもいるし。だから今後も大好きなアイドルの応援資金を稼ぐために、キャバクラでがんばって働こうと思ってます。

(取材/構成・篠田エレナ)

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