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顔面変形、審判暴行...昔はもっと強烈だったプロ野球監督の“鉄拳制裁”

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張本勲氏

 広島・緒方孝市監督が、怠慢プレーをした野間峻祥に平手打ちを複数回行っていた――。先週24日に大きく報じられたこの一件は、多くのプロ野球ファンに衝撃をもたらした。

 怪我の功名とも言うべきなのか、チームは24日も含め問題発覚以降、5連勝を含め5勝1敗と上り調子(30日終了時点)。しかし、だからといってこの問題が“なかったこと”にされているわけではない。約1週間が経過した現在でもネット上では「野間も悪いけど暴力はもっと悪い」、「絶対過去にも同じようなことやってるだろ」、「前時代的な指導しかできないなら辞任してほしい」といった批判がくすぶっている。

 暴力・パワハラに厳しい目が向けられる昨今の情勢を考えると、こうした厳しい意見が多数寄せられるのもある意味では当然のこと。しかし、一昔前の球界では、怒った監督が手を上げることは決して珍しい話ではなかった。

 例えば、中日・阪神・楽天の3球団で監督を務めた故・星野仙一氏。昨年1月にこの世を去った際には、多くのメディアがその“鉄拳制裁”の数々を改めて報道。中でも、一番拳を受けたとされているのが中日の正捕手だった中村武志(現中日一軍バッテリーコーチ)で、星野氏に殴られるうちに顔面が変形し、マスクに押し込むのに難儀するほどだったという。

 怒りの矛先を選手ではなく、審判に向けてしまった監督もいる。史上唯一の400勝投手である金田正一氏は、ロッテ監督時代の1990年6月23日西武戦で意にそぐわない判定を下した球審に殴る蹴るの暴行を加えた。これにより30日間の出場停止、100万円の制裁金を課されている。

 “ミスター”の呼び名で知られる長嶋茂雄氏も巨人監督時代はたびたび鉄拳を振るっており、その血気盛んぶりは政権下で活躍した西本聖氏が『長嶋監督20発の往復ビンタ』(小学館文庫)という本を書いたほど。また、球界のご意見番として知られるあの張本勲氏も、2017年に『サワコの朝』(TBS系)に出演した際、「サイン無視を理由に長嶋氏から平手打ちされた」というエピソードを明かしている。

 時代が違うこともあり、ともすれば武勇伝や美談のように扱われることもあるこれらの“鉄拳制裁”。しかし、今の時代ではどの事例も、決して許されない強烈な行為であることは確かだろう。

文 / 柴田雅人

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