まさにGI馬としての意地の走りだった。秋2戦目のマイルCSは重賞勝ちの経験すらないアグネスアークらを下回る5番人気。屈辱ともいえる評価に王者が燃えた。最後方集団から豪快な伸びで3着へと突入した。
「秋初戦のスプリンターズSよりは良くなっていたけど、まだ完調とはいいがたい状態。正直、8割程度までしか戻っていなかった。それであの走り。負けはしたけど、GI馬の底力は見せられたんじゃないかな」(込山助手)
2走前のスプリンターズSでは9着に惨敗。朽ちかけたGI馬の信頼をマイルCSで取り戻した。そして、迎える叩き3戦目での阪神C。1週前の坂路追いでは切れのある動きで800m52秒0の好時計をマーク。込山助手は自信タップリに完全復活を宣言した。
「ようやくこの馬らしい切れが戻ってきた。馬体の張りもすごく良くなって、今度は100%。満足のいく仕上がりだよ」
阪神Cで待ち構えるのはマイルCSで敗れたスーパーホーネット。春には完全に格下だったこの相手を今度こそ完膚なきまでに叩きのめす。GI馬のすごみを思い知らせてやるだけだ。