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秋の新米はオトクか?

 魚沼産コシヒカリ、あきたこまち、北海道産のゆめぴりかなど、さまざまな産地の新米が店頭に並ぶ季節。つややかな炊き上がり、甘みのある味。やっぱり秋の味覚の新米は最高。米は新米に限る。と、スーパーではつい出始めの新米の袋に手が伸びるが、米売り場全体を見渡してみよう。新米の影にかくれて、つい最近まで普通においしく食べていた米たちが、思い切った値段で売られている。

 今年収穫された新米が出回った途端に、それまでの米は古米という扱いになり店頭では値引きの対象に。実は米は梅雨を過ぎると味が落ちると言われていて、夏を過ぎると店頭ではディスカウントされはじめる。5kgで1800円程度だった商品が1500円台で特売される事もあり、8月を過ぎるとさらに安い米がディスカウント店などで売られている。鮮度チェックの厳しい生協などでは精米してから2週間で20%の割引き対象になったり、新米と古米が同じ店頭に並ぶこの時期、運が良ければ5kg1300円以下で米が買える。そしてこれらが新米よりまずいのか、と聞かれると何とも言えないが、炊き方、食べ方によって美味しく食べる事も可能だ。

 たしかに新米に比べて水分の少ない古米はパサパサしている。水を多めに入れて炊いてもあんまり美味しく感じない事も多い。しかし、炊くときに少しのお酒やサラダ油をたらしてみると、つやのある美味しいごはんに炊き上がる。またわざと固めのごはんを利用してチャーハンにしたり、魚介を使ったパエリアにしたりすると、形が崩れず新米よりもそれらしく仕上がる。ドライカレーや炊き込みご飯、味つき飯やいため飯には古米は最適、おこげもオイシイ。

 そしてこの時期、あえて噛みごたえのある白米のごはんとして食べるのもオススメ。ただでさえ食べ物が美味しくなる秋、食べやすい新米のごはんがあんまり美味しいとつい食べ過ぎてしまう。サンマ、ナス、いも類、果物といったおかずやデザートなどとにかく食欲の進む秋は、ダイエットや糖尿病予防のためにもごはんは控えめにしたいところ。旬で味のよいキノコや、かさのあるコンニャクなどと古米を炊き合わせて米の量を減らす。茶碗に軽く一杯で十分満腹になるだろう。

 「旬のモノを食べると寿命が延びる」などと言われるが、たしかに美味しい新米。白飯のみを楽しむときは新米もよいが、家計にやさしい古米にも注目したい。上手く利用できれば古米の方が断然オトクだ。

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