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専業主婦、「罪悪感がある」が半数以上 水野美紀の“専業主婦のほうが大変”発言にも波紋

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 11月2日に、なかなか興味深い調査結果が発表された。主婦に特化した人材サービス・しゅふJOBの調査機関、しゅふJOB総研が「専業主婦への罪悪感」をテーマに働く主婦(専業主婦・主夫経験者のみ)にアンケートした。「専業主婦・主夫であることに、後ろめたさや罪悪感のようなものを覚えたことはありますか?」という質問に対し、「ある」と答えたのは25.4%、「少しはある」は31.2%という結果で、「罪悪感がある」という回答が半数以上を占めたというのだ。これが、子どもがいない世帯だと、「ある・少しはある」が69.6%と、およそ7割となった。

 Googleで「専業主婦」と検索すると、関連キーワードに「なりたい」「勝ち組」といったポジティブなキーワードも出てくるが、「辛い」「大変」といったキーワードもある。中には「ニート」というキーワードまで出てくる。

 『ふざけるな専業主婦』『くたばれ!専業主婦』『さよなら専業主婦』(いずれも石原里紗著)という、専業主婦を徹底的に批判した本がヒットした時代があった。「専業主婦は家畜以下」といった過激な主張が売りで、シリーズ第一弾の『ふざけるな専業主婦』は1998年3月発売だったが、今ネット上で繰り広げられている「専業主婦批判」は、このシリーズと同様、むしろそれ以上のものであると言える。

 では、実際のところ、専業主婦は「勝ち組」なのか、それとも「辛い」のか。専業主婦3人に意見を聞いた。

 「全然勝ち組だとは思わない。本当は共働きになりたいけれど、子どもが小さくて、認可保育園に入れられなかった。無認可は費用が高すぎて無理。家事と育児で一日が終わると、仕事をしていた頃が懐かしく思える」

 「専業主婦だと言うと、『子どもがいないのに、なんで専業主婦?旦那さんの稼ぎがそんなにいいの?』と言われる。そういうわけではなくて、自分に持病があるから働けないだけなので、肩身が狭い。専業主婦であることに罪悪感を覚えるという意見は、よく分かる」

 「不妊治療をしているせいで会社をたびたび休まなくてはいけなかったために、会社にいづらくなって、専業主婦になった。確かに不妊治療に専念できるぐらい夫には稼ぎがあるけれど、それよりも子どもがほしい」

 3人ともに、専業主婦であることに人それぞれの辛さを抱えているようだ。決して、「専業主婦=勝ち組」「働かなくて楽をしている」といった簡単な問題ではないことが伝わってくる。

 総務省の就業構造基本調査(2018年7月発表、2017年度分)によると、夫婦がいる世帯のうち共働き世帯の割合は48.8%とほぼ過半数を占めている。専業主婦が希少な存在になっていく中で、専業主婦であることに対する罪悪感を抱くこと、また反対に、ある種のマイノリティに対する批判が過熱していくのも、自然な流れなのかもしれない。

 しかしながら、言うまでもなく、専業主婦は立派な仕事である。女優の水野美紀は、AERAdot.の連載「子育て奮闘記『余力ゼロで生きてます』」9月27日分で「『子供抱えながら仕事して大変だね』と、よく言っていただくが、私は断言したい。専業主婦の方が絶対に大変だ」と主張。この水野の意見に励まされた専業主婦も多かったようだ。

 ユーキャンとアイシェアが共同で行った「専業主婦願望に関する意識調査」(調査期間・2010年7月16〜20日)によると、未婚の働く女性に「結婚し出産した後、専業主婦になりたいと思いますか?」と質問したところ、「収入や生活にゆとりがあるならなりたい」が49.8%を占めた。「収入や生活にゆとりがなくてもなりたい」の4%を合わせて「なりたい」と答えた人は53.8%で過半数となった。なりたい理由のトップは「家事や育児に集中したいから」の55.2%。次は「自分の趣味に打ち込みたいから」の25.5%だった。

 ちなみに、未婚男性のうち「結婚し出産した後、働いてほしい」と考えている人は「できれば」という人を含め63%。「できれば」という人を含めても、「専業主婦になってほしい」という回答は37%。男女で意見の相違があることが分かる。2010年の段階でここまでの結果が出ている。このご時世、「自分の趣味に打ち込みたいから」という理由で専業主婦になる願望を実現させるのはますます難しくなりそうだ。

文/大久保 舞

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