番組てこ入れのために、フリーのアナウンサーを起用することは、よくあることだが、公募で中途採用となると、あまり聞いたことがない。
確かにTBSというと、これといった人気アナウンサーが思い当たらない。女子アナなら、出水麻衣、青木裕子、田中みな実といった有望株の名が思い浮かぶが、男子となるとバラエティー担当の安住紳一郎ぐらいしか思いつかないのでは? ニュース番組には膳場貴子、堀尾正明といったフリーの大物を起用しているケースが多いし、いわゆる実力派の人気アナウンサーが不足しているのは事実。
局アナは、新卒で入れて育てるのが、この世界の慣例ともいえるが、その常識を破ってまで、即戦力のアナウンサーを公募する背景には、なかなか人が育たないという人材難を露呈したともいえる。育ちかけたと思えば、小林麻耶のように、あっさりフリーに転じてしまっては目も当てられないのだ。
ただ、公募は決して悪いことではない。幅広く人材を求めることができるし、虎視たんたんと東京進出を狙っている地方局アナにチャンスも訪れる。意外な大物新人が釣れる可能性だってあるのだ。
(蔵元英二)