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古巣・阪神のオファー蹴った藤川球児 仰天の独立リーグ入りの背景にあるものは?

 5月24日、レンジャーズから自由契約となっていた藤川球児投手(34)が、まさかの国内独立リーグ入りを決断し波紋を呼んでいる。

 昨オフ、カブスからFAとなった藤川は今季、レンジャーズと年俸100万ドル(約1億2450万円)プラス出来高で契約。右足のケガで故障者リスト(DL)入りし、開幕には間に合わなかったが、5月に復帰。しかし、2試合に登板しただけで戦力外となった。成績は1回2/3を投げ、自責点3、防御率16.20。ウエーバーにかけられたが獲得を希望する球団はなく、マイナー行きを拒否したため自由契約の手続きが取られた。

 藤川によると、その後、オファーしたメジャー球団もあったようだが、日本復帰を決意。古巣・阪神と接触したが、交渉は不調に終わった。

 そして、6月1日、独立リーグの四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスが藤川の獲得を発表。同日、自身もブログで高知入りを表明した。藤川は「元気になったら、とにかく投げる喜びを一番に感じられる場所で腕を振りたい。必要とされる場所で投げたい。そして家族と一緒にいたい。今は、元気に投げられるようになりました!」「僕と妻の生まれ故郷の高知で、未来のスーパースターになるチャンスをもった子どもたちに、僕が投げる姿を見てもらって今後の夢につなげてもらいたい! 僕が投げることで喜んでくれる人たちの顔が見たい。僕を応援してきてくれた人たち、育ててくれた高知から野球人生を再スタートすることに決めました」などと記している。

 NPBで獲得する球団がないため、やむを得ず、独立リーグ入りするわけではない。つい、この間まで、メジャーでプレーしていた選手が、国内独立リーグに入団するなど異例中の異例。

 藤川は古巣への仁義を切って、阪神との交渉を最初に行ったが、待てば、NPBの他球団からもオファーはあったはずだ。それなのに、なぜ独立リーグを選択したのか?

 カブスでの1年目の13年6月に、藤川はいわゆるトミー・ジョン手術と呼ばれる右ヒジのじん帯再建手術を受けた。復帰できたのは昨年夏で、その後、15試合に登板し、13回を投げ、防御率4.85の成績だった。カブスは3年目の選択権を行使せず、FAとなった藤川はレンジャーズに移籍した。

 現実として、右ヒジにメスを入れて以降、藤川の成績はパッとしない。年齢的なものもあり、全盛期の剛速球は、もう期待できないだろう。完全復活を果たしていないだけに、日本の球団としては、その評価が非常に難しいところ。藤川自身、右ヒジの状態を考慮して、先発転向も視野に入れているともいわれているが、それこそ全く未知数だ。

 某スポーツ紙の野球担当記者・A氏によると、「阪神は故障禍への不安や、抑えには呉昇桓(オ・スンファン)がいることから、球団内で藤川の獲得に関して賛否両論あり、意思統一できなかったようです。起用法は中継ぎ、条件面も、藤川を満足させるような内容ではなかったのでしょう」と言う。

 阪神時代、年俸4億円だった藤川だが、故障や年齢の問題もあり、どの球団も、高額な年俸を提示するのには二の足を踏むのは当然のこと。前述のA氏は「現在の評価が低いのなら、実績をつくって、評価を上げようと考えているのではないでしょうか…」と話す。

 そこで浮上したのが、独立リーグだ。近年、四国アイランドリーグのレベルも上がり、12年に首位打者を獲得した角中勝也外野手(高知→ロッテ)や、昨季リリーフで9勝2セーブ24ホールドをマークした又吉克樹投手(香川→中日)らを輩出している。

 高知には藤川自ら逆オファーをかけ、即決。条件面の細部は交渉中だが、同球団の選手の平均月給が10万円程度であることから、たかが知れているだろう。

 1日深夜、フジテレビの「すぽると!」に出演した藤川は「ずっと四国アイランドリーグでやるか分からないし、NPBでまたやるかもしれない」と含みを持たせている。前述のA氏は「その狙いは、高知で健在ぶりをアピールし、評価を高めた上でNPBに復帰するという青写真ではないか?」と言う。

 それでは、そのXデーはいつになるのか? NPBでは7月31日まで新規の契約が可能で、まだ2か月ある。ところが、四国アイランドリーグの前期は5月31日で終了しており、6月にはリーグの選抜チームが北米の独立リーグに遠征する。後期が開幕するのは8月1日だ。

 さすがに、藤川も「僕と妻の生まれ故郷の高知で、未来のスーパースターになるチャンスをもった子どもたちに、僕が投げる姿を見てもらって今後の夢につなげてもらいたい!」と発言した以上、1度も公式戦で登板しないまま、高知を退団してNPBに復帰することはしないだろう。そうなると、藤川が目指すのは来季のNPB復帰。今回は決裂したが、状況に変化があれば、阪神も選択肢の一つに入ってくるだろう。

 藤川にとっては、無報酬同然の独立リーグ入団だが、今より評価を高められれば、「損して得取れ」になる?

※年俸はすべて推定

(落合一郎)

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