動画は、1日で消える「ストーリー」で人気だったものを再度アップしたもので、渡辺を見た子どものリアクションを無言で渡辺が演じている。二度見して、足元から顔をなめるように見上げるなど、その場の雰囲気が伝わるモノマネで表情の作り方や繊細な動きをリアルに表現した。この動画に3000件以上の声が殺到する中、俳優の綾野剛も「私も良くされます。。そしてガン見します」とコメント。渡辺も「これはあるあるですよね」と返信するなど盛り上がりを見せた。
綾野というと、モデル、バンド活動などを経て、2003年に『仮面ライダー555』(テレビ朝日系)で俳優デビューを果たす。09年公開の映画『クローズZEROII』、11年公開の『GANTZ』などで一躍脚光を浴びた。12年放送のNHK連続テレビ小説『カーネーション』では、わずか3週間の出演ながらも強烈な存在感を示し、登場回で最高視聴率を記録。綾野はそれまで長髪だったスタイルから一変し、短髪で挑んだ好青年役で多くの女性たちの心をつかんだ。
一方綾野は、スポットライトを浴びるまでに多くの時間をかけ、想像を絶する役柄にも挑戦してきた。いわゆる綾野の下積み時代には、事務所もひた隠す“黒歴史”とされる作品があるという。
映画監督の松梨智子氏が2005年、34歳のころに主演を務めた映画『映画監督になる方法』というインディーズ作品に綾野が出演している。同映画は、プロの映画監督を志すも、願いかなわなかった若者たちの葛藤や恋を、歌と踊り満載で描いたコメディ作品。劇中、全裸同士の綾野と松梨氏が抱き合う過激なラブシーンがあるという。
松梨氏はインディーズ界では超有名な「バカ映画」の“女帝”といわれた人物のようだ。1996年の映画『惜しみなく愛は奪ふ』でゆうばり映画祭審査員特別賞。98年には『毒婦マチルダ』が劇場公開され話題を呼び、日本映画監督協会新人賞にノミネートされた。同作は『たけしの誰でもピカソ』(テレビ東京系)でも高い評価を得た作品でもある。
さらに00年、『サノバビッチ☆サブ 〜青春グッバイ〜』は東京・大阪で劇場公開され、アメリカ・トロマダンス映画祭に招待された。自身の作品に女優としても出演し、02年度から05年度まではENBUゼミの映像俳優コースの講師も務めた経歴の持ち主である。
「松梨氏の作品は、少ない製作費のせいか、全てがチープな故に演技もお粗末。ですが、人間の赤裸々な姿を描くシュールかつハイテンションな作風で熱烈なファンを抱え、常にお笑い系のエンターテインメント作品を作り続けていました。同映画で松梨氏はイチゴの被り物でコスプレにも挑戦。“イチゴちゃん”の芸名でインディーズでは名を上げていきましたが、現在は業界を引退し、旅館で仲居をしているそうです」(芸能ライター)
しかしながら、綾野の所属する事務所の公式サイトを見ても、同作品の出演歴が見当たらない。綾野サイドは同作品への出演を“黒歴史”と扱っているのか、残念でやまない。
「綾野がなぜこの作品に出演したのか真意は不明ですが、下積み時代が長く俳優として役を選ばず、あらゆる作品にチャレンジする精神でみなぎっていたのでしょう。同じ05年の映画『NANA』にも出演を果たしていますが、わずか数秒ほど。綾野が出演していたことを知る人は少ないのでは。その後のブレイクまでは時間がかかりましたが、全裸になることぐらい朝飯前ぐらいの気持ちだったのかもしれませんね」(ドラマ関係者)
今では二枚目俳優として数々の作品に出演する綾野。10月には主演映画『楽園』の公開も控え、第76回ヴェネチア国際映画祭への公式出品が決定している。俳優として男としても脂が乗った綾野の、今後のさらなる活躍が期待されている。