佐藤というと、高校2年時に初めて訪れた原宿でスカウトされ芸能界へ入った。だが、輝かしいデビュー作品は、佐藤にとって“黒歴史”と言われている。
2006年6月、ドラマ『プリンセス・プリンセスD』(テレビ朝日系)に出演した佐藤は、かれんな“女装男子”を演じたのだ。同ドラマは、漫画家・つだみきよ氏の漫画『プリンセス・プリンセス』の原作を実写化したボーイズラブ漫画作品。私立の男子校を舞台に、生徒に活気を与えるために容姿端麗な男子生徒に女装をさせ「姫」を作り上げるという奇抜な学園コメディーである。
「佐藤は、女装男子の要素を含んだ同ドラマで、ゴリゴリのゴスロリ女装を披露。さらに役者の経験は浅く、貧相で“大根”のような演技でした。そして、共演していた俳優の斎藤工とは顔を接近させて見つめ合い、俳優の鎌苅健太とはキスを交わすなど、制作側の要望に対し、佐藤なりに全力で応えた作品でしょう」(芸能ライター)
その後、2007年放送の『仮面ライダー電王』(同)で主演デビューを飾り、ブレイクのきっかけとなった。10年1月には、NHK大河ドラマ『龍馬伝』で時代劇に初挑戦。佐藤の出世はデビュー作あってのものと言えるのだが、なぜか『プリンセス−』を“日陰の存在”として扱っているようだ。
「佐藤が所属するアミューズの公式サイトにあるプロフィールには、『仮面ライダー』の出演履歴から始まっています。要するに、事務所も佐藤のデビュー作を封印したことになりますね。今の佐藤の“モテ男”ぶりからは考えられない配役であり、触れられること自体ご法度のようです。ですが、佐藤はもともときれいな顔立ち。女装しても違和感がないほど。男同士でキスまでしてのけたのは立派な勲章であり、胸を張れる作品だとは思いますが…」(前出・同)
昔の作品を端から見て、カッコ悪いと思われるのを嫌がっているのかもしれないが、『プリンセス−』は紛れもなく役者人生の踏み台になったのではないだろうか。