脚本はドラマ『母になる』(日本テレビ系)などで知られる水橋文美江氏。同作で主演を務める戸田は、焼き物の里で有名な滋賀・信楽を舞台に、男性ばかりの陶芸界に飛び込み、女性陶芸家としての半生を演じる。なお、北村は戸田が演じる父親役に当たる。
戸田というと、小学生の頃から芸能活動を開始し、芸能界の酸いも甘いも嚙み分けるベテランの域に達する。また、イケメン俳優との浮名を流し“恋多き女”ともささやかれる一方で、我が強いともっぱらの戸田だけに、“犬猿”とされる相手も数知れず。そんな誇り高きプライドの戸田が、穴に入りたくなるような“黒歴史”が存在するという。
2006年公開の『デスノート』で、映画初出演を果たした戸田。そして、08年放送のドラマ『コードブルー-ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)に出演したことで、さらに知名度を上げていった。
人気女優の仲間入りをした戸田は同年、マツダ・デミオ「パッションオレンジ」のCMに出演。だが、戸田にとっては“痛い過去”のようだ。
情熱的なオレンジカラーの新車発売ということで、『もう私がとまらない』をキャッチコピーに、同色のドレスをまとった戸田が、情熱的にフラメンコを踊るのだ。だが、踊りの常軌を逸した下手さには、現在も語りぐさとなるほどで業界でもタブー視されているようだ。
「CMで見せた、戸田の“珍妙な踊り”としか言いようのないフラメンコは、お茶の間の失笑を買いました。戸田にとって、おそらくダンスは無縁だったのでしょうね。苦手なレッスンにもめげず、本番では踊りながらシートに素早く座るシーンにおいては、『キマったぜ!』と言わんばかりの“キメ顏”を見せるも、一層“痛さ”が増してしまったようです」(芸能ライター)
このデミオは、同年の『世界カー・オブ・ザ・イヤー』を、世界の名だたる高級車を抑えて、受賞した。
「世界最高の車として選出されたデミオである一方で、肝心の受賞後の宣伝は、慎ましくせざるを得なくなったようである。以前から、戸田を起用したCMで広告費を使い果たしてしまったという噂があった。挙句、受賞後に撮り直したデミオのCMは、放映本数を減らす羽目となり、レア映像として扱われたそうだ。おかげで、デミオが“世界一”の車という国民の認識は皆無に等しかったようだ」(CM制作関係者)
ところが、放送から9年経った2017年、同CMが再び話題になったのだ。同年10月に放送されたダイハツ・ブーンのCMに、女優の土屋太鳳が出演。大学でダンスを学ぶ土屋が披露した“奇抜な踊り”は、戸田と比較対象となり、オマージュ作品とも比喩された。別メーカーではあったが、それくらい戸田のダンスはインパクトがあったようだ。
「戸田は、当時のCMを“振り返りたくない過去”として封印してしまったといいます。以降、ダンス絡みの仕事は一切引き受けないと、頑なになってしまったようです。ダンスが下手うんぬんでなく、戸田だからこそ、あのような情熱的な“キテレツダンス”が生まれたようなものであって、決して他のタレントではマネできません」(芸能関係者)
長きにわたって記憶に残り、CMとしては成功。赤っ恥をかいた戸田にとっては“汚点”以外、何物でもなかったようだ。