諏訪魔は今年のチャンピオン・カーニバル優勝をステップに三冠挑戦を狙っていたが、まさかの予選敗退。その後も虎視眈々(たんたん)と挑戦の機会をうかがっていたが、掴み取ることは出来なかった。
諏訪魔が足踏みをしている間に帝王との距離は広がるばかり。ついには「向こう(全日本)には歯ごたえのある奴いないしね」(高山)とノアマットにベルトを持ち出されてしまった。
もちろん至宝を他団体に持ち出されて諏訪魔が黙っているはずも無い。「ベルトを持ち出したことは許さない」と怒り心頭に達していた。
迎えた今シリーズ開幕戦。6人タッグで高山と対峙すると、エルボー、タックル合戦で火花を散らした。最後は「(若手時代とは技の)重みが違う。そして受けたことがないってのがポイント」と語っていた、ジャーマンスープレックスホールドを解禁させ、3カウントを奪取。帝王から初のフォール勝ちを奪った。
6人タッグながら王者に土をつけたが、帝王から「マグレ(勝ち)は1回だけだよ。どこまで続くかだね」と態度を保留された。
もちろん諏訪魔も簡単に挑戦権を得られるとは思っていない。だがこの一戦で自信をつけたのは事実。それだけに「今シリーズ(挑戦権を)取れなければ、もう(タイトルマッチ戦線には)出ないよ。こんなにチャンスを与えられてダメだったら、挑戦資格はない。チャレンジャーとして失格だよ」とキッパリ。タイトル戦線から身を引く覚悟を示した。
今シリーズで残されたチャンスはあと2回。「もう(言いたいことは)言い尽くしたし、結果を出すだけ」と昨年の4・29愛知県体育館大会以来の挑戦に向けて、諏訪魔はハラをくくった。