帝拳ジム第4の男が偉業達成に挑む。
約2カ月前に王者シュトルム陣営からオファーがあったという佐藤は「ぜひやらせてください」と世界タイトル挑戦を即決した。
鼻息は荒い。同階級は1995年12月に竹原慎二が王座奪取して以来、日本人でベルトを巻いた者はいない。もし佐藤が勝てば、史上2人目の王者となる。「チャンスを生かさないと意味がない」と意気込む。
佐藤の世界初挑戦には帝拳ジムの新記録もかかっている。
現在、同ジムにはWBAスーパーフェザー級王者ホルヘ・リナレス、WBCスーパーバンタム級王者の西岡利晃、同フェザー級王者の粟生隆寛と現役世界王者3人が在籍している。同一ジムに3人の世界王者が所属するのは、過去に93年に鬼塚勝也、勇利アルバチャコフ、オズルベック・ナザロフを擁した協栄ジムがなし得たのみ。4人目となれば、日本のボクシングジム史上初の快挙となる。
「僕が4人目(の王者)になれるように頑張ります」(佐藤)と“帝拳カルテット”の結成を宣言した。
準備は着々と進んでいる。17日には渡米し、米ラスベガスで2、3週間のキャンプを張る。世界各地から集まる強豪と週5日のペースでスパーリングを行う予定だ。
世界戦を戦い抜く体力をつけるため、体のケアにも気を遣っている。現在は、4000円の着圧式くつ下で疲労回復をはかる。さらに食事でもスッポンスープやうなぎの白焼きなどを食べ、「体が軽い。減量中は動くのがつらいものだけど、(食べることで)普通に動けるようになる」と驚異の回復力を実感している。
「(シュトルムは)アマチュア上がりで(試合運びが)うまいという印象があります。テクニックで勝てるとは思っていません。やはり倒すしかない」
14戦全勝、13KOと強打を誇る佐藤は、滋養強壮パワーで世界獲りを狙う。
また、この日はスパーリング中に負傷して試合が延期となっていたリナレスが、同級12位のホサファト・ペレスを相手に初防衛戦(5月9日=現地時間、米テキサス州)を行うことも発表された。