狙いはズバリ、カンパニーだ。音無調教師は「勝っていないからね。ここを勝たなければ今秋のGI路線なんて語る資格はない。とにかく先のことは考えず、この一戦に全力投球」と先の参院選の小沢一郎のごとく、自らの退路を断って必勝を期している。
今年はサンライズバッカス(フェブラリーS)、ヴィクトリー(皐月賞)ですでにGI2勝を挙げ、リーディングトレーナー争いでも首位に躍り出た腕利きトレーナーが、「隣の馬が暴れて自分がパニックになってしまった天皇賞のアクシデントがトラウマにならないよう、早来のノーザンファームで半年以上をかけて取り除いた。ゲート練習と同時進行で十分乗り込んできたから、馬自体も本当に良くなって帰ってきた」と全身全霊、細心の注意を払って仕上げた。課せられたゲート試験も一発でパスし、鞍上の福永祐一に「この暑さの中の輸送を考慮して、前半は馬なりで入った。元々、攻め駆けする馬だけど、それにしてもすごく動きが良かった。3週連続で跨った追い切りの中でも一番良かった」とみなぎる“自信”の二文字を刻み込まれれば、9カ月ぶりのビハインドなどは皆無と断言できる。
「マイルは若干短いが、新潟の外回りなら大丈夫。小柄な馬だし、56kgで出走できるのも好材料。とにかく、ここで結果を出さないことには秋の楽しみがなくなりますからね」 絶好調のアンブロワーズ、展開利が見込めるインセンティブガイ…今週も関西馬が席巻する。