史上最年少タイトルホルダーの期待がかかる藤井七段だが、それを阻止しようとする若手棋士も多く登場している。今回はそんな有望若手棋士を紹介しよう。
①佐々木勇気七段
石田和雄門下。藤井聡太四段(当時)の29連勝をストップさせた棋士で、その端正なマスクと屈託のない性格で、女性を中心に高い人気を持つ。
藤井四段(当時)に勝利しメディアから取材が殺到するもその全てを断り、タレントではなく将棋棋士として注目される道を選んだ佐々木七段。
昨年、優秀な戦法を編み出した者に送られる升田幸三賞を獲得する研究派としても知られる。その将棋にかける情熱は、藤井聡太七段に勝っているようだ。
②永瀬拓矢七段
そのストイックで妥協を許さない将棋への姿勢から、ファンの間で「軍曹」とよばれる永瀬拓矢七段。コンピューターソフトと戦う「電王戦」でも妥協なき姿勢で「Selene」に勝利している。
棋界随一の研究量を誇り、藤井七段とも研究会をしているという永瀬七段。研究会が終わり、藤井七段が愛知に帰るときは、毎回お弁当を買ってくれるのだという。
そんな2人だが、対局となれば真剣勝負。過去非公式戦で対局し、永瀬七段が意表のゴキゲン中飛車で快勝している。すでにタイトル戦にも出場しており、今後、藤井七段の壁となる可能性が高い。
③増田康宏六段
16歳でプロデビューし、天才と言われた増田康宏六段。「西の藤井・東の増田」と呼ばれるほど有望株と目されており、新人王戦を連覇するなど、藤井七段に劣らない活躍を見せている。
藤井七段とはすでに複数回対局しており、第31期竜王戦決勝トーナメントでは増田六段が勝利し、タイトル獲得を阻止している。今後この2人の対局が、「将棋界のゴールデンカード」と呼ばれることになりそうだ。
④佐々木大地四段
深浦康市九段門下の佐々木大地四段。プロ養成機関の奨励会三段リーグで次点2回となり、規定によりフリークラス(10年で強制引退)で四段昇段(プロ入り)。
するとメキメキと頭角を現し、30戦で勝率6割5分を超え、見事に1年でフリークラスを脱出する。
2017年の新人王戦では、藤井フィーバーでアウェイムードの中、藤井四段(当時)と対局し見事勝利している。そして、リターンマッチとなった叡王戦でも激戦を繰り広げ、この際は一手のミスが影響し、惜しくも藤井四段に逆転負けを喫した。
師匠譲りの粘り強い棋風と反骨心は藤井七段を今後も苦しめること間違いなし。これからの名勝負に期待がかかる。
藤井聡太七段ばかりが注目されている感のある将棋界だが、魅力的な棋士は数多く存在している。注目してみてはいかがだろう。