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夜を棄てたキャバ嬢〜夜から昼の時間に移った優実〜

 世の中のすべてのキャバクラ嬢が夜の時間だけ働いているわけではない。店舗によっては明るい時間からオープンしている通称昼キャバ”という形態の場所も存在する。そんな昼キャバは時間だけでなく客層も変わり、メイクや髪型も夜ほど厳しくないという。優実(仮名・24歳)もまた夜を棄て、昼のキャバクラに移ってきた嬢の1人だった。

 「夜の時間にキャバ嬢をしていると、どうしても生活時間が普通の人とずれていくんですよね。かといって別の仕事をする気にもなれず、思い切って昼勤に移動してみたんです」

 優実は昔から生活習慣が乱れると、精神バランスを崩してしまうことが多かったのだという。そこで彼女は精神の安定を求め、昼キャバで働く生活が始まる。しかし昼キャバになったことで、不満もあると彼女は語る。

 「やはり夜と比べると、お給料はかなり下がるんですよね。それでも他のアルバイトと比べれば高いですけど。一度夜の給料を体験してしまっているので正直、物足りなさはありました」

 だが収入以外では、夜と比べるとお酒の量も減り、迷惑行為をする客も少ないという。

 「昼キャバをして一番驚いたのは、夜の女の子達ほどギスギスしていないというか、派閥が少ないんですね。基本的には、みんなフレンドリーで仲がいい」

 それほど優実にとって昼キャバは働きやすい環境だったが、ある客との出会いによって、キャバの世界から距離を置いた。

 「昼キャバは、ある程度のお金と時間に余裕がある人。つまり社長さんや経営者のお客様が多いんです。それにお昼だと、警戒しがちな夜の時間帯とは違い、どこか和やかに会話できる。なのでお客さんとも親密になる可能性も高いと思います。実は今は、そこで知り合った方と仲良くさせていただいています」

 美優は現在、昼キャバで知り合った某企業の経営者と真剣に交際しており、キャバクラの世界に戻る予定はないという。

(文・佐々木栄蔵)

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