初の海外遠征、そして久々のGI挑戦。幾多のハンデを乗り越えてシンガポール航空国際Cを制したシャドウゲイトにとって、春のグランプリ制覇はもはや夢物語ではなくなった。
帰国後は検疫等の関係で白井を経由し、阪神へ直接入厩した。心配された空輸の疲れもなく、1週前(13日)にはダートで5F69秒5。ラスト1Fは12秒0と上々のフットワークを披露し、陣営を安心させた。
「馬体は500kgを超えるぐらいまで戻っている。当日は前走からほとんど変わりないぐらいで出せるんじゃないかな」
円熟の5歳を迎えた今年は中山金杯圧勝をはじめ、その後も強豪相手に互角の勝負を展開した。ハナを切った大阪杯にいたっては、メイショウサムソンと壮絶な叩き合いを演じ、最後の最後まで食い下がった。
「あのときは脚をためすぎたね。勝負どころの手前からスッとペースを上げ、4角で後続をもう少し引き離せていたら」
王者サムソンも乗り方ひとつで負かせない相手ではない。師からようやくホンネが聞かれた。
鞍上は目下関東リーディングを突っ走る田中勝。不名誉なGI連敗の記録も皐月賞初夏の仁川で大物食いをもくろむ。