「1カ月前から減量を開始して、51キロでも馬を動かせる体をつくってきた」。この熊沢騎手のガッツに馬もしっかり応えたといえるだろう。前半3F通過33秒8の平均ペースを、好位3番手でスンナリ流れに乗ると、4角では早々と先行2頭を飲み込む構え。直線半ば先頭に立ったが、「最後までタレずに辛抱してくれる馬なので、自信を持って追い出した」(熊沢)。脚色は最後まで衰えることなく、1馬身以上の優位を保ったままゴールを駆け抜けた。
今後、目指すはむろん夏のスプリント王者。今回と同じく浦河のジュウジデイファームで調整し、同じパターン(直前入厩)でキーンランドCを使う予定だ。「結果次第では、欲をかいてセントウルSも考える。サマーシリーズのチャンピオンを狙ってみたい」とは矢作調教師。
今回、出走すれば1番人気必至だったビービーガルダンが故障するなど、イマイチ古馬勢の層は薄い。3歳牝馬が夏の主役をこのまま演じ続けるシーンも十分ありそうだ。