14日終了時点における巨人の成績は「59勝46敗2分・勝率.562」だが、仮にこのままのペースでいくと優勝ラインはおおむね80勝。広島、そしてDeNAがこれを上回るためには、ここからの残り試合で勝率7割以上をたたき出す必要がある。
「せっかくここまで追い上げたのに…」、「セ・リーグの灯もとうとう消えてしまうのか」、「結局最後は巨人、なんかガッカリだわ」といった、ネガティブなコメントも少なからず寄せられているこの展開。ただ、伊藤光、パットン、宮崎敏郎と主力が相次いで故障に見舞われたDeNAはともかく、広島に関してはまだまだ諦める必要はないようにも思われる。
今シーズンの広島は8連勝(4月17日〜27日)、11連勝(5月11日〜27日)、9連勝(7月19日〜28日)と大型連勝を3回マーク。それぞれの期間におけるチーム成績は以下の通りとなっている。
8連勝(4月17日〜27日)
全試合合計:35得点・13失点・67安打
1試合平均:4.4得点・1.6失点・8.4安打
11連勝(5月11日〜25日)
全試合合計:70得点・26失点・122安打
1試合平均:6.4得点・2.4失点・11.1安打
9連勝(7月19日〜28日)
全試合合計:59得点・28失点・98安打
1試合平均:6.6得点・3.1失点・10.9安打
打線の活発さはもちろんだが、それ以上に目立つのが失点数の少なさ。投手陣がこのような頑張りを見せることができれば4回目、ともすれば5回目の大型連勝が到来する可能性も十分だといえるだろう。
では、現在のチーム状況は連勝時と比べてどうなっているのか。直近10試合の内訳を元に比較してみたい。
直近10試合(8月4日〜14日)
全試合合計:53得点・47失点・93安打
1試合平均:5.3得点・4.7失点・9.3安打
「5勝5敗」とイーブンだったこの10試合を見ると、鈴木誠也、會澤翼、松山竜平といった面々が好調なこともあり。打線は連勝期間中にも引けを取らない得点・安打を記録している。
一方、投手陣の方は、連勝期間中と比べると少々打ち込まれ気味。今後の戦いにおいては、投手陣が1つでも失点を減らすことができるかが最大の課題であるといえそうだ。
一軍の投手陣は、この1週間で床田寛樹(11日)、フランスア(12日)、一岡竜司(13日)、アドゥワ誠(13日)、岡田明丈(16日)の5名が立て続けに二軍へ降格。失点数の減少、そして逆転優勝を成し遂げるには、苦しい台所事情となっている投手陣をどこまで“再整備”できるかが大きな鍵となることは間違いないだろう。
文 / 柴田雅人