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“超優良助っ人”中日・ルナが豹変 “サボり病”発症で球団困惑

 “超優良助っ人” として評価が高かった中日のエクトル・ルナ内野手(33)に、異変が生じている。

 メジャーで、これといった実績がなかったルナは、昨オフ、1年35万ドル(当時約2870万円)の格安年俸で契約を結び、中日に入団。

 シーズンに入ってみれば、走攻守ともにそろった選手で、常に全力プレー。5月のセ・リーグ月間MVPを獲得するなど、5月まで打率4割をキープしていた。

 群を抜く大活躍で、球団は他チームへの流出を阻止するため、異例といえる早々の契約延長を決め、6月5日、来季から、年俸200万ドル(約2億円)プラス出来高の2年契約(3年目は球団に選択権)を結んだ。

 ところが、来季からの年俸が約6倍に跳ね上がり、15年までのプレーが保障されたことで、ルナの心に微妙な変化をもたらしたのは確かのようだ。

 7月6日のヤクルト戦(名古屋ドーム)で左ヒザを痛めたルナは、腸けいじん帯炎という軽傷にもかかわらず、「痛い痛い病」を発症し、試合を欠場するようになる。そして、痛みが再発したとして、ついに同16日に出場選手登録を抹消された。

 さすがに、オールスター戦には出るものと思われたが、「治療に専念したい」と辞退。これにより、後半戦開幕から10試合の出場停止となった。

 それでも、前半戦で残した成績は、打率.369(リーグ1位)、9本塁打、50打点の好成績で、得点圏打率.441(リーグ1位)の高さは目を見張るものがあった。

 復帰の際には、前半戦同様の働きを期待していたチームだが、8月4日に戦列に戻ったルナは、豹変してしまい、もはや“別人”。

 前半戦の安打製造機ぶりはどこかへ消え、復帰してから同14日まで、40打数8安打2打点で、打率.200と不振。あれだけ強かった得点圏では、ことごとく凡打を繰り返すありさま。おまけに、守備でも緩慢なプレーが目立ち、失策を連発。欠場中、トレーニングを怠ったためか、体がなまって全く切れがない。

 同9日には、チームは休養日として、スタメンから外したが、「スタメンじゃないなら出ない」として、代打スタンバイすら拒否し、途中出場をボイコットしたという。

 同11日の試合途中には、試合前にできた左手のマメが痛くなったとして、自ら交代を申し出た。投手ならともかく、野手が手のマメでベンチに下がるなど異例中の異例だ。

 一時は首位打者を独走状態だったルナだが、気が付けば、復帰後の不振で、打率は.350まで落ち、2位のトニ・ブランコ内野手(DeNA)にわずか7厘差まで詰め寄られ、首位打者のキープも風前の灯となった。

 結果論だが、早期に球団が大型の契約延長をしたばかりに、ルナのサボり病が発症してしまった。こんな調子では、来季以降のプレーぶりに大きな疑問符も付く。明確な契約違反でもないかぎり、今さら契約破棄はできない。今後、ルナが前半戦同様の働きを見せられるのかどうか? 中日球団首脳は頭を悩ませているという。
(落合一郎)

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