ロッテは伊東勤監督(50)の「メジャーのように、チーム状態がいい時に補強をしたい」という強い希望もあり、この時期に新外国人の獲得に動いた。
現在、首位ではあるものの、ロッテの弱点は長打力と指名打者だった。チーム本塁打は41本で、リーグ5位。指名打者は主にジョシュ・ホワイトセル内野手(31)が務めていたが、打率.200、4本塁打、14打点と極度の不振。おまけに、右手首を痛めて戦列を離れており、20日には検査のため、米国に一時帰国した。
代わりに、指名打者はベテランのサブロー外野手(37)や福浦和也内野手(37)が入っているが、いずれも長打力に乏しい。4番は今江敏晃内野手(29)が務めているが、アベレージヒッターで4番のタイプではない。
そこで、4番指名打者候補として、白羽の矢が立ったのがブラゼルだ。伊東監督は「日本で実績があるし、本塁打が狙える打者。一振りで試合を決められるのが魅力」と期待を込めている。
ブラゼルは08年に西武に入団し、27本塁打をマーク。1年で退団したが、09年途中に阪神入りし、10年には47本塁打、117打点、打率.296と活躍。日本での5年間で、118本塁打を放っている長距離砲で、ロッテが求める選手に合致する。
現在、ブラゼルは米独立リーグでプレーしており、27試合に出場し、4本塁打、21打点、打率.347と好調で、ブランクの心配もない。
ロッテといえば、6月に入って、一部スポーツ紙がDeNAとアレックス・ラミレス外野手(38)のトレード移籍を交渉中と報じた。ラミレスは2000本安打達成後、控えに甘んじることが多く、本人も、この報道にまんざらでもない様子を見せていたが、ロッテ幹部陣は移籍交渉を否定している。
ラミレスのネックは3億5000万円(推定)の高年俸。仮にロッテが半分を負担するとしても、1億7500万円の出費となる。そもそも、渋チン球団のロッテが、そんな高い年俸の助っ人を獲るとは考えがたく、格安のブラゼルを獲得したのは当然のなりゆきといえそうだ。
※記録は6月21日現在
(落合一郎)