木下は、姉が勤めていたタピオカ店に対して「恫喝DM」を送ったとして批判が殺到、11月18日に芸能活動の自粛を発表した。本サイトが第一報を伝えたのは10月9日。それから1カ月近く経った11月2日放送の『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)で、藤本が騒動に触れる機会があった。
爆笑問題の太田光が騒動をネタに藤本をイジろうとしたのを察して、明石家さんまが「言ったらあかんねん」と太田を制止したのだ。これを受けて藤本は「すみませんでした!」と立ち上がって謝罪したが詳しい説明はなく、騒動を知らない視聴者にとっては何に対する謝罪かも分からない状態だった。木下の事務所が騒動を報じないよう各メディアに要請したとの報道もあり、藤本を含めてスタジオ内には「絶対タブー」という雰囲気が流れたようにも見えた。
この「何も語らない」「報道させない」姿勢が炎上に拍車をかけたようで、騒動はその後も収まる気配がなかった。炎上の火の粉は、本人だけでなく夫の藤本にも燃え移り、ネットでは「タピオカ騒動以前から夫婦そろって問題行動を起こしていた」というプライベートの目撃談が相次いで投稿され、「タピオカ騒動以降も反省している様子がない」などと批判されている。
藤本が夫という立場でもっと早い段階から積極的に前に出て、事情説明や謝罪をしていれば事態を収めることができていたのかもしれない。
心理学には、個人の問題を個人だけの問題とせず、家族全員が関係する問題として捉える、「家族心理学」というカテゴリーが存在する。
家族心理学の観点から見れば藤本夫婦は、「自分たちのことを受け入れてくれない社会が悪い」などと心理的に社会から孤立してしまわないように、社会に適応していくべく夫婦が話し合い、協力して問題点の改善に努める必要があるのではないか。今回の場合でいう問題点とは、木下が持ち合わせているとされる「ヤンキー気質」はもちろんのこと、藤本がそれを野放しにしていた、あるいは力関係に差があって注意できなかった、というところだ。
具体的な改善策としては、まず問題行動の引き金であると思われる「ヤンキー気質」を改めることが第一だ。しかし、対人マナーに問題があって、それを認め、考え方や行動を改めるということは、もちろん本人にとって簡単ではない。変化、改善するには相当な時間とストレスがかかるものであり、維持する努力をしなければまた同じことを繰り返してしまう恐れもある。
ママタレとして家事を楽しんでいるように見えたとはいえ、家事や育児にかかる母親としてのストレスは人並みに多かっただろう。問題点の改善にかかるストレスも含め、多くのストレスがのしかかる木下にとって重要な存在となるのが、妻の心理的なサポート役としての夫・藤本である。
木下の話を聞いて悩みやストレスに寄り添いつつ、藤本自身も積極的に考え方の改善や社会常識の学習に取り組みながら、お互いの成長を促すといった役割が期待される。
そして、夫婦だけで解決が難しい場合は、支援的役割としてカウンセリング等を活用することが望ましい。
こうして時間をかけて藤本夫婦が成長し、世間から受け入れられるようになれば、事態は収束しているのではないだろうか。
文:心理カウンセラー 吉田明日香