稀勢の里が土俵を去り、鶴竜、栃ノ心、御嶽海(11日目から再出場)も休場に追い込まれるなど、波乱の展開が続いている今場所の幕内。そのような中で迎える残り5日間において、注目すべき3つのポイントを以下に見ていこう。
■優勝争い
現在優勝争いの先頭に立っているのは、初日から負けなし10連勝の白鵬。その白鵬を、星の差2つの玉鷲と千代の国、星の差3つの貴景勝、魁聖、遠藤、矢後が追いかけている。
序盤は際どい相撲で勝ちを拾う取組が目立っていたものの、場所が進むにつれ尻上がりに調子を上げてきている白鵬。昨年秋場所以来となる42回目の優勝に向け、その視界は極めて良好。ここから大崩れするようなことがなければ、賜杯は白鵬の手に渡ることが濃厚だ。
■3大関の行く末
初日から全員が黒星を喫し、最悪のスタートを切ってしまった豪栄道、高安、栃ノ心の3大関。その後、栃ノ心は5日目から休場し、残る2名も豪栄道が「4勝6敗」、高安が「5勝5敗」と不振が続いている。
「0勝5敗」(不戦敗含む)から休場となった栃ノ心は、既に3月場所でのカド番が決定。もし他の2名も残り5日間で負け越しとなると、3月場所は3大関全員がカド番。また、場合によってはその次の5月場所で、大関が消滅する可能性もある。
■貴景勝の大関獲り
先述の通り、今場所「7勝3敗」の貴景勝は、初優勝した先場所と合わせてここまで20勝をマーク。残り5日間の成績次第では、場所後に3月場所での大関獲りが浮上する可能性がある。
大関昇進の目安とされるのは、「三役で直近3場所33勝以上」。今月1日配信記事でも触れたが、3月場所に勝負をかけたいのならば、ここから2ケタまで星を持っていきたいところだ。
以上に挙げた3つのポイントが、果たしてどのような顛末となるのか。残る5日間の取組も、ここまでと同じように目が離せないものとなるだろう。
文 / 柴田雅人