メールの内容は「ご乗車はいかがでございましたか?」として、乗務員の対応、バスの設備、料金などへのアンケートの回答を求めるもの。同社のウエブサイトを通じて、チケットを購入した会員20人に送信されており、被害者や家族に届いた。同社によると、メールは出発日の翌々日に自動送信されるシステムだったという。
被害者や家族は「あまりに無神経ではないか」と激怒。悲しみに打ちひしがれている最中に、こんなメールが届けば、その怒りも増幅されるのは当然のこと。ある被害者の家族は「楽天トラベルからは、このメール以外に何の連絡もない。チケットを売った責任を感じていないのか」と憤る。
メールが送信されたのは事故の翌日。購入者はわずか20人で、自動送信される予定のメールを止める措置を取る時間はあったはず。止めるのが無理であれば、せめて、お見舞いのメールを送信するぐらいの配慮があってしかるべきだ。
そもそも、楽天のメール配信には問題点も多いという。楽天の会員だという30代会社員の男性(東京都在住)は、「楽天に入会したら最後。営業メールの多さには閉口します。ほとんど迷惑メール状態です。昨年3月の東日本大震災の後も、不謹慎にもしばらく続きました。メール配信停止の手続きを取っても、『メールの配信を希望されない場合でも、重要なお知らせなどのメールは送信させていただきますのでご了承ください』と称している」と、あきれ顔。
メールは時として、冷たい印象を与える。その上、時と場合をわきまえなければ、企業としての信頼にもかかってくるだろう。
(蔵元英二)