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農水省職員が犯罪利用認識しキャッシュカードを譲渡

 警視庁愛宕署は8月7日、違法な取引に使用されることを認識しながら、自分名義のキャッシュカードを譲り渡したとして、農林水産省経営局事務官・落合拓也容疑者(25=東京都世田谷区桜丘)を犯罪収益移転防止法違反容疑で逮捕した。

 落合容疑者は「キャバクラ通いなどで約100万円の借金があり、軽い気持ちでやってしまった。犯罪に使われるという認識はあった」と容疑を認めている。

 逮捕容疑は7月下旬、東京都千代田区内の郵便局で、犯罪に利用される恐れがあると分かっていながらも、自分名義のキャッシュカード1枚を東京都杉並区内の私書箱あてに郵送、譲渡したとしている。

 落合容疑者は7月上旬、携帯電話に届いた「副業あります。月30万円稼げます」などと書かれたメールに返信し、連絡してきた男の指示に従って、キャッシュカードを郵送すると、口座に100万円が振り込まれた。

 報酬として入金額の3割を受け取る約束で、今月1日に10万円を出金。7日に港区内の銀行支店で残り20万円を引き出そうとした際に、銀行側が気付き、同署に通報した。口座は振り込め詐欺に利用されたとみられ、千葉県警が2日に口座凍結していた。

 農水省は「事実とすれば公務員にあるまじき行為であり、厳正に処分する」とコメントした。

 いくら借金を抱えていたとはいえ、国家公務員でありながら、犯罪利用を認識しながら、キャッシュカードを譲渡するとは軽率すぎる。結果的に振り込め詐欺の片棒を担ぐことになったわけで、その罪は決して軽くはないだろう。
(蔵元英二)

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