今シリーズ第5戦までの視聴率(以下、数字はいずれも平均、関東地区)は、第1戦(12日=フジテレビ系列=デーゲーム)が9.2%、第2戦(13日=テレビ東京系列)が19時以降9.1%(19時までは7.0%)、第3戦(15日=フジテレビ系列)が11.4%、第4戦(16日=TBS系列)が12.2%、第5戦(17日=テレビ東京系列)が19時以降10.6%(19時までは6.7%)と、いずれも低かった。
熱戦が続くなかで迎えた第6戦(19日=テレビ朝日系列)は14.1%と、まずまず。3勝3敗で迎えた第7戦(20日=TBS系列)は18.9%と一気にはね上がった。視聴率はどうしても、裏番組との兼ね合いになる。第7戦の場合、その裏ではNHK「江〜姫たちの戦国」(15.6%)、日本テレビ系列「世界の果てまでイッテQ!」(16.1%)、「行列のできる法律相談所」(14.3%)、フジテレビ系列「ワールドカップバレー2011男子・日本対イラン」(11.1%)などの人気番組が放送されたが、それらに打ち勝って堂々の同時間帯最高をマークした。
今シリーズは第2、5、6、7戦をNHK BS1も放送した。NHKでの放送にはCMが入らないため人気が高く、BSが視聴できる家庭では、地上波ではなくBSで見た人も多いと予想される。実質的な視聴率は地上波プラスBSとなるため、第7戦はかなりの高視聴率を記録したとみられる。
関東地区においては、極めて地味なカードと思われた今年の日本シリーズだが、熱戦を続ければ視聴率が上がることが分かった。とかく、人気低下が叫ばれるプロ野球ではあるが、今でも、その注目度は捨てたものではないという証明だろう。第7戦終了後、ソフトバンク・秋山幸二監督の勝利インタビュー中に放送が終わってしまい、TBSに苦情が殺到したというが、まだまだ熱狂的な野球ファンも多いのである。
また、今年は局地的に盛り上がったシリーズでもあった。地元の名古屋地区、北部九州地区では第1戦から高視聴率をマーク。第7戦では名古屋地区で27.7%、北部九州地区で44.4%だった。北部九州地区では秋山監督が胴上げされる際には、63.6%という驚異的な瞬間最高視聴率を記録した。
(落合一郎)