そんな両国のデキの差を証明するかのごとく、12日に行われたグループB第1節で、韓国はギリシャを2-0で下し、堂々の白星スタートを切った。
韓国はほぼ予想メンバー通りのスーターティング・イレブン。対するギリシャは股関節痛のDFモラス(ボローニャ)と、192センチの長身DFキルギアコス(リバプール)の両レギュラーCBが外れた。
ギリシャといえば2004年の欧州選手権覇者。老将レーハーゲル監督の下、徹底した組織力で並みいる欧州の大国を撃破し「奇跡の優勝」と叫ばれた。そんな優勝請負人をそのままに、チームにはFWハリステアス(ニュルンベルク)やMFカラグーニス(パナシナイコス)ら当時の立役者が残り組織力にさらに磨きをかけてきた。
それに対し韓国はと言えば、2002年日韓W杯4位という“ミラクル”を除けば、実はW杯でまだ一勝しかあげたことがない。下馬評ではギリシャ優勢が現地記者の予想。しかし試合は開始7分であっさりと決まった。
左コーナーフラッグ付近からの韓国のFKに、つめていた現役JリーガーのDF李正秀=イ・ジョンス=(鹿島)が右足であわせて先制。
先制されてからも6年前のヨーロッパチャンピオンは目覚めない。プレスがかからず、逆に全速力でボールを奪いにくる韓国に圧倒される。首を振り続けいらだつギリシャの選手たち。
後半からはゲームメーカーのカラグーニスが交代で退く。しかし、また開始7分後、ギリシャDFのトラップミスを、いまやアジア史上最高のフットボーラーとなったパク・チソン(マンチェスター・U)が奪い、そのまま持ち込んでダメ押しの追加点。エースストライカーのハリステアスを外したころからやっと本来のプレーに戻ってきたギリシャだが、時すでに遅し。試合終了の笛を聞いたレーハーゲル監督の呆然とした表情がテレビカメラを通して世界中に配信された。
「韓国は速く、運動量が豊富なのも知っていた。我々はそれを上回ろうとしたが、上手くゲームに入ることができなかったね」とは試合終了後のレーハーゲル監督の弁。
世界の大舞台でこれ以上にない最高のスタートを切った韓国。もはや“かつて”のライバルとされてしまった岡田ジャパンは彼らにどこまで追いつけられるだろうか? 注目の日本の初戦カメルーン戦は14日、23時(現地時間16時)から始まる。