報道によると、上林は福岡市内の病院でCT検査を受けた結果、「右第4中手骨掌側剥離骨折」と診断。即座に登録抹消はされず、今後は状態を見ながら練習や試合に臨む見通しとなっている。
外野陣に離脱者が相次いでいたこともあり、上林は負傷発覚後も出場を継続。しかし、痛みが引かなかった影響からか、3日楽天戦以降は打席にも入っていなかった。
また、死球を受けた先月17日終了時点で「打率.217・3本塁打・11打点・13安打」だった打撃成績は、6日終了時点で「打率.196・4本塁打・13打点・19安打」。どの部門もほとんど数字が伸びておらず、打率に至っては1割台まで落ち込んでいた。
今回の一件を受けたネット上には、「やっぱり骨折だったのか」「無理をさせずに一度抹消した方がいい」といった反応が寄せられている。また、中には「痛いのに無理させるからこうなる」「試合に出たいと言っても止めるのが首脳陣の仕事」といった批判も見られた。
当初軽傷とみられていた怪我が、実は重傷だったという事例は少なくない。例えば、右手首に炎症を抱えながら今春のキャンプを過ごした日本ハム・清宮幸太郎は、その後オープン戦で右手有鉤骨の骨折が判明。2か月が経過した現在も、復帰に向けたリハビリを強いられている。
また、無理を押しての出場が、成績に影響を及ぼすケースもある。先月21日日本ハム戦の試合前にコーチと激突し左目下を10針縫ったロッテ・中村奨吾は、前日終了時点で「打率.281・5本塁打・12打点・18安打」と好調。しかし、6日終了時点では「打率.223・7本塁打・17打点・25安打」と、打率を大幅に落としてしまっている。
今回骨折をした上林は、キャンプ中に腰の張り、開幕直前に背中の張りに見舞われてもいる。これ以上の負傷を防ぐため、首脳陣には適切な判断が求められているといえそうだ。
文 / 柴田雅人