報道によると、今回の一件は25日のJリーグ理事会で議論され、実現となれば5名まで外国人枠が拡大されるという。また、この件に関連して、現在外国人枠と併設されているアジア枠(1枠)や提携国枠(制限なし)の改正や、地元選手の登録を義務とする“ホームグロウン制度”の導入なども合わせて検討されているようだ。
“補強や戦術に幅が広がる”、”対峙する日本人選手が鍛えられる“といったメリットの一方、“資金力の違いによってクラブ間格差が広がる”、“若手選手の出場機会が奪われる”といったデメリットも考えられる今回の一件。これを受けてネット上は、賛否両論の様相を呈している。
資金力のあるチームにとっては追い風に、そうでないチームには向かい風になりそうなこの新ルール。ただ、個人的には、後者のチームも方針次第では改定の恩恵を十分に受けることができるとも感じている。具体的に言うならば「外国人枠の不使用」だ
もし報道通りに来季から新ルールが施行されるなら、枠のフル活用を目論むクラブは当然出てくるだろう。ただ、この弊害として、思うように出場機会が与えられない選手も増えることになる。
一方、中には“飼い殺し”を防ぐために、不遇の若手選手を他クラブへレンタル移籍させたいクラブもあるはず。そんな状況の中、もし「ウチは外国人枠使ってませんよ、若手の日本人はみんなウェルカムですよ」といった方針を掲げるクラブがあったらどうなるか。チャンスを求める選手が数多く入団し、結果的に戦力アップに繋がることにはならないだろうか。
一朝一夕の努力では、なかなか資金面での差は埋まらない。それならば、ルールを逆手にとった“逆転の発想”をしてみるのも面白いのではないだろうか。
文 / 柴田雅人