20日から22日にかけて行われた2位巨人との3連戦を全勝し、ゲーム差を8にまで広げた広島。2位以下の追撃を難なく跳ね返し続けるなど、独走態勢は揺るぎなく、早ければ27日にも球団史上最速となる優勝マジックが点灯する可能性も出てきた。
他5球団を圧倒する広島の戦いに、ネット上では早くも白旗を挙げる人も少なくない。現在チームはセ・リーグ2連覇中だが、その数字が“3”となる可能性は日に日に大きくなっているようだ。
カープに負けじと、こちらも首位を走っているのがサンフレッチェ広島。22日に行われた最下位名古屋グランパスとの一戦では、痛い引き分けを喫したものの、それでも2位のFC東京とは勝ち点差7がついている。降格スレスレの15位となった昨シーズンの悔しさを晴らすため、今後も着実に勝ち点を積んでいきたいところだろう。
仮にこのまま首位を守り切ると、カープは3年連続9回目の、そして、サンフレッチェは2015年以来3年ぶり4回目のリーグ優勝となる。また、同じ県を本拠地とするプロ野球・サッカーのチームが同時優勝するとなれば、2010年の中日・名古屋グランパス以来史上2度目の例となる。
ちなみに、プロ野球側の優勝を「リーグ優勝」ではなく「日本一」と捉えた場合、前述の例は対象外となる(中日が日本シリーズでロッテに敗れたため)。つまり、広島がここ2年惜しくも逃している日本一を手中に収めることができれば、晴れて史上初の快挙が成し遂げられることにもなるのだ。
先の「平成30年7月豪雨」では県内各地に甚大な被害が発生するなど、予期せぬ天災に見舞われた広島県。その土地の名を冠する2チームは、県民に勇気と感動をもたらす栄冠を勝ち取ることはできるだろうか。
文 / 柴田雅人