6・13広島大会で行われたGHCタッグ選手権で、三沢さんの“最後のパートナー”だった潮崎と“最後の対戦相手”だった齋藤。その2人が27日の武道館大会でGHCヘビー級王座を懸けて激突する。
この日の茨城大会では、潮崎が杉浦貴&KENTAと組み、齋藤彰俊&バイソン・スミス&ボビー・フィッシュと最後の前哨戦で激突した。序盤からエルボー合戦を展開。場外でバイソンにはりつけにされ、齋藤のラリアートを被弾し、鉄柱に打ちつけられピンチに陥った。
それでも、負けじとラリアートからのムーンサルト・プレスで反撃。再び場外に移ると、潮崎が逆水平、齋藤のエルボーと一進一退の壮絶な打ち合い、チョップ合戦を繰り広げ最後はガッチリと握手を交わした。
互いの想いをぶつけあい、トコトンやりあった潮崎は「もう後はベルトを懸けてやるだけなんで」とだけ口にして、会場を後にした。
一方の齋藤も「ほとんど無に近いですね。あの時の想いをぶつけれるのは自分とシオしかいないですから。確かにベルトは懸かってますけど、私利私欲は無いと思います」と心境を明かした。
奇しくも2人から出てきた共通の「無」という言葉。2人は意外にも“同じ想い”でこの日まで過ごしてきたのかもしれないだけに、今回のタイトルマッチは「無の境地」に達した方が制するか。
三沢さんが亡くなってから107日。2人の中だけで止まっていた時間がようやく時を刻み始める。