search
とじる
トップ > トレンド > 高橋四丁目の居酒屋万歩計 「丸好酒場」(まるよしさかば、居酒屋)

高橋四丁目の居酒屋万歩計 「丸好酒場」(まるよしさかば、居酒屋)

 京成押上線・八広駅から徒歩500歩

 いくら丸好酒場が4時から飲めるからといって、更正歩道橋下に列立てて並ぶというのもはばかられ、ひとまず荒川土手を登ることにした。荒川も大きいが、荒川を蓋(おお)う空も大きい。
 河川敷で少年野球の練習は、予想通り。競輪選手の本気の練習は、初めて見ました。土手下に、ややくたびれたカネボウ御用達の床屋を発見。町の通りに名を残した鐘ヶ淵紡績のご威光です。カネボウは資生堂と化粧品の人気を二分するも、合併話がこじれて失速。いつからか、同社のKが同窓会に顔を見せなくなった。もういいじゃないか、飲もうよ。
 「丸好酒場」開店のお時間となりました。くたびれるから月・火・金はしばらくの間、休業するそうです。母と娘とおぼしきおふたりの丁々発止を、丸好ハイボール(酎ハイ)を飲みながらしばし観賞。他の客の注文した茗荷(みょうが)の、安全かつ効率的な切り方もついでに観賞。茗荷の芽が、伊料理や仏料理に重宝されていたとは知りませんでした。

 むかし散歩は、犬の川端(かわばた)歩きと呼ばれて、蔑(さげす)まれていたそうな。ここ東向島は「裏道を行こう。横道を歩まう」と、手書きの玉の井地図まで作成して、墨東の川端歩きを貫いた永井荷風(作家)が好んだ街。すこし頬染めた川端歩きの犬は薄暮の歩道橋下で、人が更正してない以上、犬が更正してなるものかと嘯(うそぶ)いた。

予算1300円
東京都墨田区東向島6-63-6

関連記事


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ