会場に用意されたカラテ・キャンドルやバレーボール自販機などを通して、パンチ力やジャンプ力のすごさを見せつけた武井。だが、この日の参加者も強者ぞろい。武井が前半戦苦戦を強いられる場面も。だが、武井が本領を発揮したのは陸上競技にちなんだ「0m走」の測定マシン。陸上で合図の後、どれだけはやく脚をスタート台から話せるかを競うこのマシーンで、武井は最高ラップを記録。
「ここだけは負けるわけにいかない。僕は10種競技の100メートルの日本記録を10年保持していましたから。ここで負けたら百獣の王の看板を外さないといけない」と自身にプレッシャーをかけつつ、0.261のタイムを出した武井は「不満ですけどまあいいでしょう。引退して22年過ぎていますから」と余裕の表情。現役時代は同測定器で0.11秒台を出していたことも明かした。
武井はイベントを終え、「ハイレベルですね。みんな頑張っているんでね。俺が負けているんだなって」と協議参加者を称え、「現役時代の10種競技と似た催しで楽しかったです。現役時代を思い出させてもらいました」とコメント。「みなさんが楽しそうに競技に参加してくれているのが嬉しかった。この勢いで、来年の東京大会を過去最高のオリンピックにしましょう」と呼びかけていた。
(取材・文:名鹿祥史)