まさに注文通りの競馬だった。四位・ゲレイロは好発から前をさばいてハナへ。一方、1番人気のスズカフェニックスも前残りを警戒し、いつもより前の中団で競馬を進めた。だが、自分の形に持ち込んだゲレイロを止めることはできなかった。ゲレイロは直線に入り余裕を持って逃げ込みを図ると、一完歩ごとに詰め寄るスズカをアタマ差しのぎきって見せた。勝ち時計は1分20秒7(良)。
これで今年は東京新聞杯Vに続き、重賞2連勝。テン乗りとなった四位騎手は「藤田さんから『捕まっているだけで勝てるから』と聞いていたから、自信を持って乗れた」とジョークを交えつつ、「2番手にくる馬もいなかったし、展開も楽だった。今日は気分を損なわないように気をつけて乗っただけ」と春のGIに向けて視界良好のコメント。
開幕馬場の恩恵があったとはいえ、昨年の春の王者を退けたのは大きな自信になった。勝ちきれない競馬を続けていた昨春のレースぶりがウソのよう…明け4歳を迎え勝利の味を知ったゲレイロはこの後、距離適性を踏まえ、安田記念を最終目標に調整される。