「“ナカムラデイ”になるだろう」と予告した中邑はPPV『ファストレーン』のオープニングマッチでルセフとのシングル戦に挑んだ。「ナーカームーラー・ルーセフデイ」の大コールの中、試合は白熱の攻防が繰り広げられた。
中邑はスピンキックを決めてキンシャサを狙うと、ルセフのカウンタースーパーキックが中邑の顔面をクリーンヒット。しかし、中邑は辛うじてカウント2.5で逃れると、ここからルセフの後頭部にキンシャサを決めて形勢逆転。最後はとどめのキンシャサを豪快に決めるとルセフから3カウントを奪って勝利した。ルセフを下した中邑はレッスルマニアの王座戦に向けて弾みをつけた。
メインイベントでは、スマックダウンのシェイン・マクマホンコミッショナーが観戦。ロウにもスマックダウンにも属さないジョン・シナの割り込みなどがあり、6人のスーパースターによるシックスパック・チャレンジWWE王座戦が行われた。
最初にシェインのエントランステーマがヒットし、最後にチャンピオンのAJが登場。場内は「AJスターイルーズ」の大合唱。コミッショナーが試合を見守る中、試合が始まるとジョン・シナがいきなりアティテュード・アジャストメントの先制攻撃で幕を開ける。
“ベストフレンド”だったケビン・オーエンズとサミ・ゼインはリング上でだまし合い、さらにゼインがリングサイドのシェーンに因縁をつけると、ゼインを狙ったオーエンズのスーパーキックがシェインに誤爆。するとシェインはオーエンズとゼイン、それぞれのフォールを妨害して報復した。
その後も試合は目まぐるしく攻防が入れ替わるも、最後はオーエンズがシナにポップアップ・パワーボムを繰り出した隙に、実況席へのテーブルに落下し場外でダウンしていたはずのAJが蘇生し、オーエンズをフェノメナル・フォアアームで沈めて3カウント。AJが王座を防衛した。
シェインの思惑が定かではないところが不気味ではあるが、AJの勝利には拍手を送っており、タイタンビジョン(場内スクリーン)にも、『レッスルマニア34』AJスタイルズ対中邑真輔の文字が映し出された。新日本プロレス2016年1.4東京ドーム大会以来、2年3カ月ぶりの2人のシングル対決が、『レッスルマニア34』でWWE王座戦として行われることが最終決定した。
次なる注目点は試合順ということになってくるだろう。レッスルマニアでメインイベントに出場した日本人スーパースターはこれまで1人もいないのだ。今のナカムラ人気を考えればメインイベントも決して夢ではない。
文・どら増田
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