巨人が育成選手の堀岡隼人投手(20=右投右打)を支配下登録したのは、7月26日だった。7月末が選手の選手登録の締め切り、この時期に支配下登録したということは、「一軍のペナントレース後半戦で使うつもりがある」と見るべきだろう。
堀岡は2016年育成ドラフト7位、青森山田高校の出身。育成3年目の今年、ファームでリリーバーとして15試合21イニングを投げ、防御率は0・86(7月26日時点)。直球勝負を挑んでいくタイプだが、「被本塁打ゼロ」だから、そのボールにはかなりの威力があるのだろう。
他球団の二軍首脳陣がこう評する。
「彼が支配下登録される少し前、巨人は新外国人投手のデラロサを獲得しましたが、リリーバーとして打ちにくいという印象を持ったのは、堀岡のほう」
支配下登録の発表会見では、大塚淳弘球団副代表編成担当は「槙原寛己投手に似ている」とも話していた。巨人情報に詳しいプロ野球解説者によれば、
「巨人が育成選手を支配下登録するとき、『一軍で通用するかどうか』を判断基準にしています。過去、支配下登録された選手はほぼ全員、登録直後に一軍を経験しています」
とのことだ。原監督はクローザー・中川皓太に繋ぐ速球派として、この堀岡を早々に使ってくるはずだ。
偶然だが、青森山田2年秋の堀岡を見たことがある。秋の神宮大会・東邦戦だったが、当時もストレート勝負を挑んでいたが、三振狙いではなく、ゴロ・アウトを積み重ねている印象を受けた。学校関係者は「ウチにきてから、ピッチャーに専念させた」とも話していたので、「巨人が育てた」と言っていいだろう。
「入団して最初の2年間は怪我でほとんど投げていません。その間の走り込み、インナーマッスルの強化運動が3年目で実りました。無駄な力を入れないで投げるピッチングフォームがようやくできるようになって」(チーム関係者)
堀岡の同期入団は、以下の通り。
1位吉川尚輝
2位畠 世周
3位谷岡竜平
4位池田 駿
5位高田萌生
6位大江竜聖
7位廖 任磊(現・埼玉西武)
<育成ドラフト>
2位加藤脩平
4位坂本工宜
5位松原聖弥
7位堀岡隼人
8人の育成選手を合わせ、計15人の新人選手を指名した。その育成選手8人中4人が支配下登録された。
巨人というと、どうしても外部補強のイメージがついてまわるが、育成のチームでもあることは間違いない。頭角を表した山本、若林、増田大、北村もヨシノブ時代に指名した選手である。前任者は「もう1年、やりたかった〜」と思っているのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)