2013年に来日し、ジャイアンツの一員となったホセ・ロペス。初年度から日本の野球にアジャストし、打率.303の高打率を残すも、翌年は.243と数字を落とし、オフに自由契約に。そこに目を付けたのがベイスターズ。即アプローチし、12月12日には契約に至った。
☆超優良助っ人の軌跡
2015年はレギュラーとして140試合に出場。ホームラン25本、打点73と来日後最高の数字を残し、オールスターにも出場した。
翌年は更にパワーアップ。ホームラン34本、打点は95と活躍。怪我による約1か月の離脱がなければ、もっと数字は伸びたはずで、不調の時期も少なかっただろうが、終盤の大活躍でチームを初のCSに導いた貢献度はピカイチで、翌年度から2年の複数年契約を結んだ。
"複数年契約の外国人の1年目は働かない"のプロ野球あるあるの心配をよそに、2017年もロペスは暴れまくった。"3割30本100打点"をクリアし、2年連続のゴールデングラブ賞も受賞。チームを日本シリーズにまで押し上げた中心選手として、存在感を示した。
今年は交流戦前までに15ホームラン、打点41とリーグトップの活躍を見せていたが、交流戦開幕戦に右太股のハムストリングスを痛め、2回の登録抹消。それでも7月20日に戦列復帰すると、ここまで打率は3割をキープ。ホームランも22本放っている。
☆チームでの存在感
今シーズンベイスターズは打撃不振に陥った。それはロペスの不在に依るところが大きい。ロペスの存在感はバットだけでは無く、守備だけでも無い。今年入団し大ブレイクしているネフタリ・ソトには献身的なアドバイスを送り、成功に導き、キャプテン筒香嘉智とはちょっかいを出しては出される間柄で、お互いを、そしてチームをいい意味でリラックスさせている。19日のジャイアンツ戦でも、7回2アウトまでパーフェクトピッチングを続けていたルーキー東克樹が、マギーにホームランを打たれると、真っ先にマウンドに向かい勇気付ける言葉をかける。"チームの為に"を体現する助っ人。それがホセ・ロペスという男だ。
勝負が掛かる、痺れる瞬間の続く大混戦のセ・リーグCS争いに、“チャモさん(スペイン語でやんちゃ坊主)”の活躍は欠かせない。これからも“アニモ(頑張れ)!”
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘