司法試験に9回連続で落ちている弁護士志望の荻原早紀(菅野美穂)。33才アラサーの彼女は、「すみません、正確に言っておきたいので」が口癖のカタブツで超潔癖な女(でも妊娠発覚!)。ある出来事がきっかけで務めていた弁護士事務所の「汚い体質」に腹を立て、タンカを切って退社してしまう。ひょんな事からその早紀を見守る事になる、警視庁のキャリア官僚・藍田光輝(谷原章介)と、家庭に問題をかかえる主婦で早紀の同級生・璃子(永作博美)。この三人が繰り広げる「大人になりきれない大人」のファンタジー。
不器用な早紀は「本当の友達って?」などと、今更大人が触れたくない事について真剣に悩んでいる。「よかった、私だけじゃないのね」と、日本中の寂しがり屋さんのココロをなぐさめているよう。しかし、毎週マイケルジャクソンで踊りだす早紀のイタさはいただけないわ。早紀への思いを伝える藍田に続き、元恋人の坂本正登(塚本高史)までカタブツ女に未練がある様子。何故に菅野の早紀がこんなにモテるのか分からない。子供たちを義母に取られ、おろおろする璃子を演じる永作は現在妊婦さんで、ドラマ中、けっこう暴れるので見ていてちょっとハラハラ。やっと役でも妊婦になるらしいわ。
社会的な圧力に抗ってみたり、暴力で威圧してくる若いチンピラにも果敢に立ち向かったりと生真面目な一人の女性・早紀を通して、人が生きていく上で大切な事を浮き彫りにしていく、とてもいい姿勢のドラマだとは思うけど菅野美穂なのにいまいち「スカッと感」が足りないのが惜しい。今後主人公も妊娠しているという設定がチラついて、ただの「女性ドラマ」に成り下がりそうな嫌な予感もする。
こういうのは、男にこそ見てほしいドラマなのよ。(チャッピー)