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競輪人国記 大阪(5)

 アマのチャンピオンだった選手で追い込みとして活躍したのは渡辺孝夫(29期)。昭和49年の競輪祭新人王で完全優勝。決勝では山下文男(和歌山)との近畿車券を岩崎誠一(青森)田仲俊克(東京)相手に決めた。

 S獲りが盛んな頃に活躍したのは伊藤浩(45期)。昭和58年の競輪祭準決では中野浩一(福岡)のまくりを差して決勝に進んだ。本人も驚く差し脚だったが、今でもS級戦ではしぶとい追い込みを見せている。

 郡山久二(55期)は平成3年の平塚共同通信社杯(当時はスタールビー賞で一発レース)に近畿地区代表で出場すると、坂本勉(青森)俵信之(北海道)を破り優勝した。追い込みと時に見せるまくり脚で穴ファンには人気がある。

 金田健一郎(60期)は大阪から出たスター候補だった。平成3年の一宮日本選手権では鈴木誠(千葉)の先行をまくり上げたが、外に落車寸前まで持って行かれて不発に終わった。鈴木マークの坂巻正巳(茨城)がインをついて優勝。当時のS2だった坂巻は、S1に限られていたグランプリ出場が出来るかどうかで論議を呼んだ。
 結局、グランプリには出場したが、鈴木誠に優勝されて一宮の仇を立川で討たれた。

 古原勝己(60期)は競りにかけては天下一品のしぶとさを持っている。目標を決めると、誰とでも競り合った。それが同じ岸和田の練習仲間で同期の金田健一郎でも平気で「競り」を宣言していた。平成9年の岸和田・日本選手権では二人とも優参したが、競りはなく山田裕仁―浜口高彰の後ろを金田が回り、浜口に優勝を獲られてしまった。

 大阪でこれから伸びそうな若手は稲川翔(90期)菊谷信一(90期)だろう。果敢な先行をする乾準一(85期)は小橋正義(新潟)に似た首振り先行で人気がある。S1先行でも乾に逃げられると苦戦する場面も多い。

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